瘡瘢旅行

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瘡瘢旅行

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  • サイズ B6判/ページ数 164p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062156769
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

表題作「瘡瘢旅行」の他に、川端康成文学賞候補作「廃疾かかえて」、「膿汁の流れ」収録。平成の破滅型私小説作家・西村賢太の第五創作集。

著者等紹介

西村賢太[ニシムラケンタ]
1967年7月、東京都江戸川区生まれ。中卒。2007年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

misato

20
同棲中の彼女・秋恵がお人よしにも、友人にお金を貸すばかりで返金 を迫らずにいることから貫多ともめる話「廃疾かかえて」。近頃の秋恵との不和を解消しようと岐阜旅行に出かけることにした貫多と秋恵。秋恵は渋々同行することになる「瘡瘢旅行」。秋恵がお婆ちゃんの看病に出かけている間の6日間。貫多は預かったキャッシュカードから12万円全額を使い、好きなものをたらふく食い、あげく女遊びと贅沢三昧する。思わず呆れてしまう話「膿汁の流れ」。廃疾のような持病を抱えた貫多と秋恵の同棲物語を三篇収録。 2014/05/18

うーちゃん

15
今更気付いたけど、秋恵と同い歳な私。秋恵…アンタもうよしなよあんな男(さくらももこ風に)。今回は秋恵のダメダメな一面が より描かれる話もあり、読み手の余計な溜め息は増すばかりの一冊だ。それでも「千五百円のペスカトーレと六百円のグァバジュースなるもの」のくだりは爆笑してしまった(秋恵ごめん)。メニューのチョイスと、貫多の厭ったらしいほど冷静な観察眼がおかしい。“秋恵もの”はまだまだ引き出しがあるんじゃないかと、内心期待している。2014/06/08

oz

11
初読。私小説に賭す作家は多い。古くは葛西善蔵、近松秋江、嘉村礒多、徳田秋声、和田芳恵、川崎長太郎、野口冨士男、小沼丹、つげ義春、佐伯一麦、車谷長吉そして西村賢太。生活に関して斜に構えたり、無頼を気取る姿勢を美学的に戯画化するのが私小説の滋味だが、常識の枠内で感傷的に設定された美学を謳いあげて鼻白むようになると途端にどうしようもないなまくらになる。西村小説はたじろぐような暴力癖と学歴や容姿への強烈なインフェリオリティのある男が文学まみれの哀れな姿を晒すだけのドキュメントだ。だがよほど文学的に誠実に見える。2010/12/13

ophiuchi

8
妻はなぜ2冊も西村賢太を借りてきたのだろう…2014/02/10

でおでお

6
おなじみDVダメ男・貫多の自覚的ひとりよがりを堪能できる短編集。「ぼく」と「てめえ」というアンバランスな表現に笑ってしまう。「膿汁の流れ」での祖母を回想するくだりは西村作品には珍しく涙を誘われました。2012/07/24

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