出版社内容情報
感動の欠片がつまった、優しい短編集 デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』から生まれた3短編が描くのは、誰もが感じやすさを抱えながら暮らすこの世界の片隅。切なさがゆっくりと心に満ちてくる…
辻村 深月[ツジムラ ミヅキ]
著・文・その他
内容説明
誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。それぞれの物語を、優しく包み込んで真正面から描いた珠玉の三編を収録。涙がこぼれ落ちる感動の欠片が、私たちの背中をそっと押してくれます。はじめましての方にも、ずっと応援してくれた方にも。大好きな“彼ら”にも、きっとまた会えるはず。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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エンブレムT
201
子供がみつめる、その時の自分にしか見えない風景。時が経てば思い出というフィルターにかけられ、切なく美しいものに変わってしまう風景を、無力感さえ漂わせた痛みでもってそこに留めている。表題作『ロードムービー』にいろんな意味でやられました。イジメによるトシの追い詰められ方がリアルで痛く、ワタルの真摯な応援演説に涙です。一人で迷い泣いている者にとって、横に並んで一緒に歩こうとしてくれる存在の大きさがどれだけのものなのか。たとえ側にいられないとしても、その確かな存在は、自分が前ヘ進むためにそっと背中を押してくれる。2011/02/22
風眠
183
小学生から中学生くらいの年齢の子どもたちの日常と事件を描いた短篇集。ものすごいドラマがあるわけでもないし、メッセージ的な何かがあるわけではないのに、どの話もちりちりと痛くて印象に残る。子どもの頃のどうしようもない気持ちとか、どうしても前に進めないもどかしさとか、そういう「子どもの世界」というものを思い出した。『冷たい校舎の時は止まる』のスピンオフ作品だとは知らなかった。この短篇集がどのように繋がっているのか、すごく気になる。2012/08/20
扉のこちら側
166
初読。冷たい校舎外伝。大人になるってなんだろう。2008/10/24
takaC
161
楽しく読んだのだが、先に読んでおくべき作品があったとは気がつかなかった。どうりで意味不明な内容が散見されたわけだ。あと、トリックっぽい仕掛けは無粋だと思った。2009/05/11
七色一味
160
読破。何だろう、3つの中編のどれもが、読んでいてもどかしくて──痒い所に手が届かないというか、融通が利かないというか、真っ直ぐっていうか…。でも、みんな精一杯生きていて、なんだか羨ましく感じてしまうのはなぜなんだろう。2011/09/08