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出版社内容情報
ルイ・ヴィトン、ディオール、グッチ、プラダ、アルマーニ、シャネル、エルメス……「志」を失ったのは誰だ?業界を震撼させた話題の書。あなたのバッグの「本当の価値」は?
内容説明
誰よりもブランドを愛するファッション・ジャーナリストが描く「高級ブランド」神話の栄光と矛盾。
目次
誕生そして変貌
グループの精神
グローバル化へと突き進む
スターと高級ブランドの甘辛い関係
成功の甘い香り
大切なものはバッグのなかにある
繊維産業と損なわれた遺産
いざ大衆市場へ
偽ブランド品の裏切り
ブランドの現在位置
高級ブランドの明日
著者等紹介
トーマス,ダナ[トーマス,ダナ][Thomas,Dana]
12年間、『ニューズウィーク』パリ支局でライターとして文化・ファッション欄を担当。ファッション・ライターとしては他に『ニューヨークタイムズ・マガジン』、『ニューヨーカー』、『ハーパー・バザー』、『ヴォーグ』、『ワシントン・ポスト』、『フィナンシャル・タイムズ』にも寄稿している。1996年から99年まで、パリのアメリカン・ユニバーシティでジャーナリズムを教えた。夫・娘とともにパリ在住
実川元子[ジツカワモトコ]
上智大学外国語学部フランス語科卒。ファッションやライフスタイルをテーマに数多くの執筆・翻訳を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syaori
36
少数の富裕層に「最高品質の製品」を売っていたブランドが、社会革命や産業革命、公民権運動などを通して大衆化、グローバル化してゆく過程と、それにより抱くことになったジレンマを追った本。作者の懐旧の念や出身階級を重んじるような書きぶりに鼻白む部分はあるものの、出版から10年経っても、まだグローバル化との反動の間で揺れているように思われる高級メゾンの様子から、作者の問題提起は古びていないように感じます。そしてまたこれはファッション界だけでなく、均質化してしまった現代社会の大きな課題でもあるのだろうと感じました。2018/04/06
はるき
18
夢と憧れの的だったファッションがコピーと搾取にまみれて墜落した。王侯貴族からブルジョアへそして大衆へ広がったわけですが、安価な粗悪品が横行してしかも値段は高騰中ってそりゃないでしょ…。トレンドを作るのは時代の空気ではなくブランドの供給次第。釈然としないので、流行に飛びつくのは止めよう、出来る限り。2020/06/26
★miya★
11
5年前放置してことが悔やまれる面白い本だった。内容は高級ブランドの歴史、市場主義に飲まれ堕落(=大衆化)していく現状、著者の分析する生き残るための三種類の方法など。 中間マーケットに進出した負の側面としてChav(バーバリーを着た英国のDQN)によるイメージダウンが紹介されていたのが印象的。日本では深夜のドンキのLVユーザーがそんなところか。色んなブランドが紹介されるが、エルメスとシャネルとアルマーニの一部以外は糾弾され、特にLVは大衆化の火付け役のアルノー社長中心に酷評。2014/03/05
Humbaba
6
高級ブランドの成り立ちと,発展,そして現在の姿を記している.高級ブランドはただそれだけでは売れない.上手に自分たちの魅力を広告するために,ハリウッドスターなどに自分の商品をみにつけさせる.そのためのコストは大きいが,それ以上に大きな売上が得られるようになる.2010/05/06
Uzundk
5
高品質であることと高級であることが、それぞれ別野道を歩み出したのは1990年頃だった。ブランドが大衆を相手にものを売り出したときに、特別なものから如何に"特別な風に見せるか"というゲームに変わったと語る。有名ブランドへの取材と歴史の掘り起こしが多く描かれているが、やや行ったり来たりで読みにくい感じはある。消費者が賢くなければ、生産者もそれに適合してくると読むべきか。今、本当の高品質はどこにあるのだろう。2014/11/15