内容説明
非オタクが覗いた、史上最強のオタク解読書。「フロイト」「ウィトゲンシュタイン」「ノルウェイの森」「菊地秀行」「エヴァンゲリオン」「江戸春画」「家族への回帰」「ハーレム感」などのキーワードを使って「萌え」の本質に迫る。
目次
序章 The world of“moe‐ken”
1 ライトノベル篇(「この本を放り出せ!」;「綾波萌え」の系譜 ほか)
2 根源の渦―テーブルトークPRG篇(萌えの源流;『ダンジョンズ&ドラゴンズ』と『ダブルクロス』 ほか)
3 美少女ゲーム篇(オタクの世代間闘争;ラスコーの壁画、江戸の春画、そしてアニメ絵 ほか)
4 マンガ篇(東大三浪のモテモテ男;ショタコン? ほか)
5 風雲アニメ篇(大泉、萌えはじめる;アニメ萌えの指標 ほか)
著者等紹介
大泉実成[オオイズミミツナリ]
1961(昭和36)年、東京生まれ。ノンフィクション作家。10歳から「エホバの証人」グループで活動。中央大学大学院文学研究科哲学専攻修了後、『説得―エホバの証人と輸血拒否事件』(現代書館)でデビュー、同書が講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
17
研究というレベルではない体験レポートで、一冊の本として成り立つ水準を余裕で下回っているものの逆にこの哀れな悪戦苦闘感がダメ系エンタメじみた滑稽味を感じさせる。型月台頭葉鍵全盛時代のエロゲにラノベからはイリヤ、漫画からは赤松作品と凄まじい90年代後半から0年代初頭臭。「これは萌えにこだわる必要あったのか」という疑念もわくが(美少女という共通項で括れる他はともかく少なくともTRPGと萌えはあまり関係は…)ある時代の熱気を孕んだ作品群の余韻を感じられる。なお、研究、分析、評論部分はゴミである2015/05/10
袖崎いたる
2
萌えルポり。萌えを「生命現象の、本質。盲目的な、生きる意志。いわば、生そのもの。」だそうな。たまに軽く哲学者や評論家の引用があったりするものの、著者自身がややこしい議論や分析を望んでいないようで、ライトな読み物となっている。オタクカルチャーに触れた経験がある人は自分の来し方に想いを馳せつつ個別の作品を思い出しつつ読めて楽しい。知らない作品もいくつか出てくるし、小ネタ的なエピソードも出てくるのがまた良い。奈須きのこは綾辻行人の『十角館の殺人』にたまげたんだそうな。ほうほうほう。2022/08/02
decuno
1
浅くてぬるい描写が続いてオタク系の書籍としてはダメダメなんだけど 、いい年したおっさんと編集がTRPGやってるところだけは面白かった。 ほんとまったくTRPG知らないおっさんの偏った思考を見るのがたのしい。 あと未だに綾波ひきずってるのはどうかと思うなあ2012/04/15
なにがし
1
所謂第一世代にあたる、しかし非オタクの立場から書かれた萌えに対するルポ。2005年の上梓ということもあって、作品のチョイスなど、時代を感じる部分は否めないが、TRPGや美少女ゲームなどの体験を通して筆者が萌えの理解に奮闘する様は、現在、その渦中にいる第三世代の立場から見れば、視点や感覚のズレが如実で、率直な感想の語り口も含め、さっくりと読める一冊。2011/08/31
ふゆき
1
客観より主観が主体の解説本。2010/04/12