ともだち刑

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  • サイズ B6判/ページ数 157p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062127967
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ともだちだったはずの「あなた」と「わたし」。ある瞬間、その関係は支配と被支配に変わる。地方にある中学校を舞台にくりひろげられる凄惨な現実。大人になっても消すことのできない痛み。誰もが経験する人間関係のあやうい緊張を切なく描いた長編小説。

著者等紹介

雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年北海道生まれ。1998年、パンクバンド「維新赤誠塾」結成、ボーカリストを務めた。2000年、土屋豊監督のドキュメント映画『新しい神様』に主演。同年、衝撃の半生を綴った『生き地獄天国』を刊行
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

46
良くわからなかった。憧れの女子と友だちになったがための刑罰なのか、友だちになれるのならば刑を受けることなど何でもないのか、刑を受けてでも良いから友だちでいたいのか。「あなた」と二人称で語られる女子中学生の姿が見えてこない。怒鳴られても怒鳴られてもついて行こうとする主人公の顔も見えてこない。美術大学に行きたい理由もわからないし、自分だけはみんなと違うのだと思う根拠も良くわからなかった。書き出しが良かったので読んでしまったが向いてなかったということが分かった。2014/08/22

みゃーこ

37
雨宮処凛初の小説。「いじめ」問題を語る時、この作品は非常にその原型、連鎖、後遺症など幅広い問題提起を内包している。 ともだちを作らされる刑。学校と言う閉鎖的牢獄の中で女の子たちの集団が作るその独特の空気に支配され居場所を求める主人公が生々しい。「人は憎しみすぎると、自家中毒を起こし、憎んでいる相手以下の人間になってしまう」自分の実体のない記憶に支配されている自分をどう立て直すか問題に直面ため決断する。本書は大学のテキストに採用される弱者の匂い、空気、暴力を語る際の材料になる。2015/05/29

mm

13
同じ学校の同じ学年というだけの集団の中、誰かと群れなければならない苦しさ。自分が世界の中心人物だと思っている子が周囲をかき回し、その実嫌われてる事に気が付かず、なんてことはよくある。一緒に居るには相性があるものだから、そこでそんなに悩まなくていいんだよ。と、言ってあげたい。七年越しの呪縛が解けるようにと願って読んだが、どうなのかな。あの子側になりたかったと言うなら、そうなることが出来なかったのか。七年ではまだ無理でも、人生はまだ長いと思うから。なんて、きっと自分は充分時間が過ぎたから言える事。2018/07/09

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

5
数あるイジメを題材にした小説から比べると、特別陰湿なイジメが描かれているわけではない。むしろある人に自分の事を一人前の人間として扱って欲しい、認めて欲しいという苦悩を描いているように思う。どちらにしても読了後は重い気持ちになる。★★★2009/05/30

れに

4
いじめを受けた人にしかわからない息苦しさってものが間違いなくある。前々から思ってたんだけど復讐したり恨んでも何も解決しないとか自分が不幸になるだけとか最終的にはそんな過去忘れろとか基本的に世間は被害者に広い心を持つことを強要させる。何でだよ!おかしいだろ!と声を大にして言いたい。弱者は強者のサンドバッグじゃないんだよ。しかもそういうこと言ってくる人達って大抵いじめられたことない人だったりする。とはいえ主人公がいじめの主犯格「あなた」にいじめぬかれても尚必死に取り入ろうとしているところも読んでいて辟易する。2022/08/12

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