神々の闘争 折口信夫論

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神々の闘争 折口信夫論

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062126908
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

『死者の書』にま新しい読みの可能性を開き、民俗学と一神教が火花を散らし結びあう瞬間を描き出す。グローバリズムとナショナリズムを突き抜ける現代(思想)の超克の試み。2002年度「群像」新人文学賞評論部門優秀作受賞。

目次

第1章 神々の闘争―ホカヒビト論
第2章 未来にひらかれた言葉
第3章 大東亜共栄圏におけるイスラーム型天皇制
第4章 戴冠する預言者―ミコトモチ論
第5章 内在と超越の一神教

著者等紹介

安藤礼二[アンドウレイジ]
1967年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部考古学専修卒業。「神々の闘争―折口信夫論」で2002年度「群像」新人文学賞評論部門優秀作受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

37
文章も平易で議論も分かりやすい。しかし、折口から展開され著者のその後の仕事を予感させるマッハ、鈴木、フッサール、西田、ヤーコブソン、井筒にそれらの繋がりがどの程度の妥当性があるのか全く判別できません。これが柄谷行人だと何となく分かるのは「他者」と言いつつ西洋・キリスト教文化圏のイデオロギーに馴染んでいるからでしょう。我々は近代にいて否応なく西洋思想の言葉を使っており、東洋思想を考察するとしても、もはや東洋思想だけでは何も成し得ない。本書は様々な文化圏の学が交差するときに生まれる言葉を見出す試みといえます。2021/01/06

うえ

8
そこまで参考になる記述はなかった。「折口信夫のマナの起源、おそらくそれは雑誌『民族』の初期に長期にわたって連載された二つの論考、田辺壽利の「デュルケム派の宗教社会学」と赤松智城の「古代文化民族に於けるマナの観念に就いて」にある」前者は「『宗教生活の原初形態』の内容を要約して紹介したものである…注などをすべて省略することによって、逆にこの連載だけでデュルケームの目指した「聖社会学」の全貌がコンパクトに理解できる…折口はこの論考をよく読んでいたようだ」その後、田辺は西田幾多郎に聖なるものの概念を伝えたという。2021/01/03

COPPERFIELD

3
P204~ マナとはメラネシア社会のすべてを統合する、神聖なる力である。それは神秘的であるばかりか、この地上とは「次元」の異なった、天上の、見えない世界へ通じるなにものかである。マナとは「超自然であると同時に自然的」であり、それは「カにして行為、性質にして状態、同時に名詞、形容詞、動詞の」いずれでもあり、「抽象的かつ具体的、遍在すると同時に局在する」といった二律背反を止揚する究極の言葉なのである(これはまた折口が夢見た「純粋言語」とほとんど等しいものでもあるだろう)。 2013/08/07

ULTRA LUCKY SEVEN

1
ゼミの先生です。面白い!2010/04/21

Nobuyoshi

0
再読。学生時代にレーニンの『唯物論と経験批判論』を読んで、マッハ主義という考え方が随分批判されていたのを覚えています。エルンスト・マッハという物理学者、哲学者はアインシュタインや現象学のフッサール、文化人類学のレヴィ=ストロースらに影響与えたとか。そして折口信夫にも。2017/08/08

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