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ランドマーク

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  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062124829
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

関東平野のど真ん中、開発途上の大宮の地にそびえ立つ、地上35階建ての巨大スパイラルビル。設計士・犬飼と鉄筋工・隼人の運命が交差するその建設現場で、積み重ねられた不安定なねじれがやがて臨界点を超えるとき―。鮮烈なイメージと比類ない構想、圧倒的な筆力で“現代”のクライシスを描く芥川賞・山本賞作家の傑作長篇小説。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年、長崎生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年『最後の息子』で第八四回文学界新人賞を受賞しデビュー。2002年『パレード』で第一五回山本周五郎賞、同年『パーク・ライフ』で第一二七回芥川賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

81
吉田修一は大好きな作家である。が、『アンジュと頭獅王』の時と同じようにこれは良く分からなかった。大宮の捻れたビルの設計士と建設作業員が主人公。設計士の暮らしは妻と愛人の間で捻れ、作業員はこんな生活が続くことにも苛立たない自分に苛立ち貞操帯をつける。その必然性を全く理解できず、自分の範疇を越えた小説だと理解する。ただ、最後に建設中のその捻れたビルで自死する男性の胸の内を覗いた気がした。2021/12/11

ちょん

32
犬飼と隼人の話が同時に進んでいく。どちらも崩壊へのカウントダウンのような気がして、ハラハラしていたが。誰しも何かに怯えて生きているような、ぼんやりとした危惧を抱えながら読み終えた。2016/01/05

Satomi

31
大宮に建設中の地上35階のランドマークタワー。フロアがねじれながら螺旋を描く、不思議な設計。設計士の犬飼と鉄筋工の隼人。同じビルの建設に携わりながから決して交わることのない二人。ビルのねじれになぞらうようにどこか少しづつ常軌を逸していく…。深い。深すぎて私の理解力ではカバーしきれない…。私が青春時代を過ごした街と隣接する大宮。街並みが懐かしく思い出される。なんでもある…けど何かが欠如している…ねじれたビルを建設するに相応しい街!!??2014/09/26

のり

30
O-miyaスパイラル建設に携わる隼人と犬飼。いつか接点をもつものと思っていたが…最初から最後まで何を言いたかったのかが解らず不完全燃焼。男の貞操帯。着けるのも、こだわるのも意味不明。犬飼の不倫に対し妻もそうなのかと思いきや…ただ一つ、一級建築士の合格代一号が田中角栄と知り得た事が救い?だった。2016/01/10

うーちゃん

29
誰もが無関心。不穏な歪みは、すぐそこにあるのに。現代社会のある種病理的な一面を切り取った小説。駅から吐き出される人、街を行き交う人。喧騒が聞こえてくるようだ。でも、誰も何も聞いていないし、聴こえていない。聞こえているようで、主人公の声すら、読者には届かない。この突き放しが良いです。建設中のスパイラルビルのねじれて不安定な構造をくどいほど説明するラストは、いかにも「現代社会の縮図ですよー、気付いてねー」という感じがしてイヤだが、「パレード」同様、ふと気付けばそこにある闇(病み)を描いた小説として面白かった。2016/01/26

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