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ブルースノウ・ワルツ

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  • サイズ B6判/ページ数 188p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062123501
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「怪しすぎるよ。こんなところに『弟』がいるなんて嘘じゃないの?」父と二人、少女は教会の地下、苔むした石畳を歩んでいく。研究者の父と、社交に忙しい母、二人のメイドとともに館で何不自由なく暮らしていた彼女の前に、野生児の「弟」が出現した…。R‐18文学賞読者賞受賞作家の魅惑的なゴチック・ロマンス。

著者等紹介

豊島ミホ[トシマミホ]
1982年生まれ。2002年「青空チェリー」で第1回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞。2002年9月、「なけないこころ」「ハニィ、空が灼けているよ。」の書き下ろし2作を加えた単行本『青空チェリー』を新潮社より刊行。現在、都内某大学に在学中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takaC

67
豊島ミホが都内某大学に在学中の2004年に発行された本。今では誰もが某大学があの大学だと知ってるね。お、5月12日発行か。オレの36歳2日目だな。2016/09/18

春が来た

33
大人になるっていうこと。あの頃を思い出すことはあっても、あの頃の気持ちと同じ温度にはなれない。それはとても怖いことだったのかもしれない。(ブルースノウ・ワルツ) 夜に暗闇の中で、一つだけ見える星を呼ぶ。作り出す空想は現実よりも鮮明に私の記憶の中で生きている。夏の気まぐれな灰色の雲が、波と顔を濡らす。海が朱色に染ったら、鮮やかな色の花びらは水の底に沈んでしまうのかな。もう暗闇で星を呼び出すことはなくなってしまうのかな。記憶の中では、ずっと一緒に歳を重ねていけると思ってた。(グラジオラス)2019/08/27

おぎわら

21
今週、秋田に雪を見に行くのでこれを再読。秋田出身でその出身地を舞台だったりモチーフだったりにして多く作品を書いている豊島ミホだが、意外なことに雪の中のシーンは作中に少ない。その中でこの作品は、秋田が舞台ではない(と思う)が、タイトルにもある通り雪がモチーフ。数少ない雪のシーンを、やはり豊島はうまく書く。雪の匂いというものを現地で感じてきたい。そして、この作品、やはり良い。小説としてしみじみと良い。グラジオラスも、夏の物語だが秋田だ。文のリズムが良い。あの田圃の風景を思い浮かべるときりおがそこにいるようだ。2018/02/05

すきま風

17
再読。豊島ミホ、と言えば地味な高校生の青春を描くイメージが強い。勿論大好きな作家なんだけど、初期の頃は表題作のような、こういう小説も書いていたのだなあと、単純な驚きがある。しかし、意外とこれも悪くない。今の豊島さんがもしこういう小説を書いたら、どんな風に化けるんだろう。ユキと楓の、最後の二人のシーンが秀逸。2013/05/13

おぎわら

14
小説を読む楽しさを与える珠玉の作。表題の書下ろし中編に雑誌掲載の短編を収録。豊島作品としては異色の三人称で叙事的、昭和の文豪が書くような乾いた無駄のない文体。デビュー3冊目で初めてR-18賞を離れて書いた作品であり意欲作であっただろう。表題作は中世の欧州的日本という虚構世界が舞台で「お嬢様」育ちの学者の娘が山育ちの文字通り「野生児」と出会う話、短編はただ憧れていた近隣少年が事故で亡くなった後の少女の話。テーマは似通い、初恋、少女時代との訣別と喪失感、大人への第一歩といったもの。共に切なくラストが印象的だ。2017/05/04

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