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精霊の王

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  • サイズ B6判/ページ数 361p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062118507
  • NDC分類 162.1
  • Cコード C0095

内容説明

“魂の原日本”を求めて縄文へと遡る思考の旅。宿神の秘密を明かす奇跡の書、金春禅竹『明宿集』現代語訳も収録。

目次

第1章 謎の宿神
第2章 奇跡の書
第3章 堂々たる胎児
第4章 ユーラシア的精霊
第5章 緑したたる金春禅竹
第6章 後戸に立つ食人王
第7章 『明宿集』の深淵
第8章 埋葬された宿神
第9章 宿神のトポロジー
第10章 多神教的テクノロジー
第11章 環太平洋的仮説

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年、山梨県生まれ。思想家、宗教学者。著書に、『チベットのモーツァルト』(講談社学術文庫)(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(せりか書房)(読売文学賞)、『哲学の東北』(青土社)(斎藤緑雨賞)、『フィロソフィア・ヤポニカ』(集英社)(伊藤整文学賞)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

18
前半は刺激に満ちていたが、後半はその刺激をうまく掬いきれておらず重複感が否めない。とは言え、第一章の蹴鞠の名手・藤原成通の話がぶっ飛んでいて、いきなり引き込まれる。この蹴鞠を含む技芸に携わる人々が尊崇した縄文期にまで遡る古層の神々と、後にこの国に入ってきた神仏や権力との二重構造は、後戸の神の思想だけでなく、怨霊神信仰(新勢力が旧勢力を祀る二重構造)や絵画や建築等芸術における平面重層構造等々、日本の文化や精神構造全体に関わりがあるように思われる。西洋の二元論に対して、この二重論の二つのものは対立しないのだ。2015/12/22

Takayuki Oohashi

17
日本にはミシャグチと言われる、縄文起源の古層の神々が居て、国家ができ、世俗的な王権が幅を利かせた後も、芸能や被差別部落の中で息づいてきた、というのが僕の読後のこの本の粗筋です。最初は「おっ」と思って、宮崎駿の「もののけ姫」の世界の解説書かな、と思って食いついたのですが、後半になるにしたがい、論理的な理屈が多くなって、飛ばし読みでした。中沢さんは今の世俗的な「偽り」の権力者の理屈でなくて、古層の神々の言葉に耳を傾けなさいと言ってるのですが、僕は無視する方になりそうです。2016/03/30

Yusukesanta

16
傑作。中沢新一は他の思想家と一線を画している。まず霊的直感が冴えまくっていること(深沢七郎に似てる)。そして裸の眼、透徹した目。オウム事件があったのでこの本も「うさんくさい」とか「カルト」とか言われるのか...僕は翁=宿神=シュクジノ神を信じたい。何よりもこの創造に命を吹きこむ神が「現実からの影響を受けない」という点にとても魅了される。あらゆる芸術活動は国家の輪郭にタブラカされてはならない。胞衣や壺に守られている場から、あらゆる人間的な存在の根に触れる活動はやって来るのだ。禅竹の「明宿集」は「恵み」だ。2016/11/08

白義

11
カイエソバージュと並ぶ中沢新一の代表作。国家以前の最古の神、宿神から日本発生成の存在論とも言うべき壮大な思想体系を探った意欲作。記紀神話にも乗らない古い精霊が、いかに芸能や職人の世界に息づき、豊かな哲学的意味を秘めているかが自由に語られる。ややナルシシズムな日本主義の妖しさはあるが、西洋哲学からあまり概念を借りず、世界の潜在的次元を日本の文献、文化から構築しているのは素晴らしい。「日本哲学」を考える上でもヒントになる力作2012/03/27

かっぱ

6
面白く読めた。国家が生まれる前に存在し、人々の心を支配していた「古層の神」が、「後戸の神」となって、芸能と職人の世界にだけ生き残ったという。表の世界に現れることはないが(芸能者など一部の人達には感じられるらしいが)、裏側にあって、この世界を揺るがし、変化を与えようとしている存在。これから目にするものの中に、これらの精霊達の存在が感じられるようになれば楽しいかも。2011/08/14

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