内容説明
CM制作者が手作業で再生した古いフィルム。そこには日本がひた隠しにしてきた過去が映っていた。第48回江戸川乱歩賞受賞作。
著者等紹介
三浦明博[ミウラアキヒロ]
1959年宮城県生まれ。明治大学商学部卒業。仙台市の広告制作会社でコピーライターとして勤務。89年独立。現在、フリーランスのコピーライター
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
62
それは毎月第2と第4日曜日に仙台東照宮の境内で開かれる骨董市で偶然手に入れたフライフィッシング用のリールと、おまけのように押しつけられた16ミリフィルムがすべての始まりだった・・。第48回江戸川乱歩賞受賞。最初は物語の中に入り込むのにちょっと時間がかかりました。事件の真相そのもののことを言えば、実際に似たようなことが日本で行われていたのかどうか私には分かりませんが、同じようなことが行われていたのであれば、それを公にするという意味でも題材としては良かったと思います。ただちょっと後味が悪かったかな。★★★2012/11/25
Yasushi Suzuki
14
事件が起こるまでが長すぎると思う。事件が起こってからの展開は良い流れだと思うけれど。猫好きとしては大西が猫を殺すシーンが気分良くないし、半身不随になった父親の介護をする彼の何を表現しようとしたのだろうか?2018/01/14
さんつきくん
9
最後の100pから面白さが増していった江戸川乱歩賞受賞作。広告代理店に務める主人公・日下は骨董市でヴィンテージ物の釣り竿と古いフィルムを手に入れた。そのフィルムには戦時中の日光・中禅寺湖での釣りの風景が映っていた。その映像を仕事のCM作りに利用することになるが、物語は思いがけない展開へ。一方、フィルムを手放した花は、そのフィルムが祖父の大事な物と解り取り戻そうとする。フィルムを奪おうとする人物も現れ、物語は書き乱れていく。ラストは戦時下の背景が色濃く残る描写だった。著者の趣味、釣りの描写が所々に出てくる。2016/12/11
もりの
6
第48回江戸川乱歩賞受賞。あらすじと冒頭を読んだけど、そそられる内容ではなくて断念。感情移入できないものは読む気がしない。2021/10/24
うめけろ
6
みなさんのコメントを拝見すると辛めの意見が目立ちますが、面白かったですヨ。天邪鬼なんだろうか、自分は。ストーリーが発散するキライはありますが、フィルムの謎が戦時と繋がるあたりはなかなかでした。深みはあまり感じなかったし、最後はちょっと後味が悪かったですけど・・・まあ、合格点なんじゃないかと(←何様)。2012/02/27