内容説明
10年前にアムステルダムで出会ったカフェの主人とかわした再会の約束。半信半疑で出かけた青山通りで見たものは…。夢とも現実ともつかない奇妙な体験を描いた表題作「コーヒー党奇談」ほか、作家生活25周年、短篇の名手が紡ぐ全12篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
ホラーのようなミステリアスが小気味良い短編集でした。ちょっと奇妙で最後がゾクッと来る味は、読み終えてから一拍してじわじわと怖さを呼び起こします。悪意や陰部をサラリと描いており、その沼にはまるのが何とも言えません。色々な土地を舞台にしながらも、情景が曖昧なので、非日常感を感じました。熟練の短編職人というのに相応しいと思います。2015/07/21
takaC
43
ーあっというまに読めるからといって、あっというまに書けるというものではない。ーらしい。そりゃそうだろう。2015/01/10
星群
20
東京で、大阪で、鳥取で、・・・奇妙な出来事に遭遇した人達の話。読んだ後、一拍空けてからじわりじわりと、静かな怖さがやってくる。あと、各々の場所に行ってみたくもなる。印象的だったのは『コーヒー党奇談』、『父に会う』、『砂の時間』。2012/09/08
スイ
10
読みやすい短編集。 表題作はじめ、少しぞっとするような話が多い。 カーブミラーの話とかね…。2016/11/18
❀シュガ❀
8
《図書館》阿刀田高はお初の作家さん。この本には12篇の短編が収められている。表題作『コーヒー党奇談』を読み、職人のような人だと感じた。たった26ページに、とても知的な文章で、1つの世界を造る。作中に出てくるアイリッシュコーヒーの、なんとも美味しそうなこと!阿刀田高を好む知人に、感じたことを伝えたところ、阿刀田が「ショートショートの職人」とも言われていると教えられた。ショートショートの「職人」、納得だ。2015/07/30