プラスティック・ソウル

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062102605
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

出世作『インディヴィジュアル・プロジェクション』から名作『シンセミア』、『グランド・フィナーレ』へ至る阿部和重創作の変遷、その転換点上の傑作、20世紀最後に書かれ封印されていた幻の小説、遂に刊行!

終わりは始まりへとむかい、新たな物語を生む、メビウスの環のように。
アシダイチロウ、イダフミコ、ウエダミツオ、エツダシン。彼らが出版社から受けた依頼は、共同創作によりひとつの作品を生み出してほしいというものだった。眩いばかりに鏤(ちりば)められたさまざまな記号、めまぐるしく転換する話者、妄想はやがて狂気へとむかう――。世紀末東京を舞台に描かれた阿部文学の真髄に迫る、幻の小説!

『プラスティック・ソウル』は、僕にとって一種の切断線なんです。――<『阿部和重対談集』より>

内容説明

アシダイチロウ、イダフミコ、ウエダミツオ、エツダシン。彼らが出版社から受けた依頼は、共同創作によりひとつの作品を生み出してほしいというものだった。眩いばかりに鏤められたさまざまな記号、めまぐるしく転換する話者、妄想はやがて狂気へとむかう―。世紀末東京を舞台に描かれた阿部文学の真髄に迫る、幻の小説。

著者等紹介

阿部和重[アベカズシゲ]
1968年生まれ。小説家。『アメリカの夜』で第三七回群像新人文学賞を受賞しデビュー。1999年『無情の世界』で第二一回野間文芸新人賞、2004年『シンセミア』で第一五回伊藤整文学賞、第五八回毎日出版文化賞、2005年『グランド・フィナーレ』で第一三二回芥川賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

若布酒まちゃひこ/びんた

34
「アメリカの夜」とおなじく、語り手の分裂に焦点をあてた語りの実験が前面にあらわれた小説。語りのあいだで交換される情報やら意識やら、そういった水面下の運動を感じるものの、小説としてうまく作り上げたとはいいにくいというのが本音。2016/04/24

hit4papa

19
Jブンガクの(?)の代表作家に祀り上げられた著者の、初の連載小説です。ゴーストライターの競作を依頼された男とその周辺を描いているのですが、主人公の暴走する妄想で、物語の始まりも終わりもありません。アイデンティティの問題は他の作品の根底に見て取れます。しかし、本作品は書き連ねることの苦痛しか感じることしかできませんでした。印象的なシーンも上手く活きておらず、ドラック漬けのジャンキーの戯言に陥っているようです。プラスティック・ソウルはミック・ジャガーを揶揄した言葉ですが、作品内容はタイトル負けしています。2016/12/18

zanta

15
176/6/17/2015 若い頃友人との会話の中で「ビニールコーティングした心」というのがあって。色んなことに傷ついたり悩んだりしていた友人と私の一つの解決ではあったんだけど。それとは全然違うような、意外と近いことのような。ただ作中の人物の誰にも共感できないので、追求したいとは思わない。この本は非常に読みづらかったのだが、他を読んでみる価値があるか否か悩めるところ…。2015/06/17

Disコ

7
薬物でずっとキマッているような小説。確かなことなど何もわからずあやふやなまま曖昧なままトリップした状態のまま終わる。ストーリー性皆無なのに「読み」感がすごく面白い。ずっとキマッている感じである(知らないけど)大したものである。2015/12/24

おはぎ

6
阿部和重らしさとは何にあるのか、考えさせらる作品だった。空虚な中心の周辺をぐるぐると回り続ける螺旋構造の小説。2023/08/11

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