柔らかな頬

柔らかな頬

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  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062079198
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「現代の神隠し」と言われた謎の別荘地幼児失踪事件。姦通。誰にも言えない罪が初めにあった。娘の失踪は母親への罰なのか。四年後、ガン宣告を受けた元刑事が再捜査を申し出る。三十四歳、余命半年。死ぬまでに、男の想像力は真実に到達できるか。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

282
第121回(1999年)直木賞。 2000年このミス国内第五位。 現代に生きる人々の 満たされることのない、 荒涼とした心象風景が 全編に漂う 物語である。 カスミの心のあり方も、どこか捉えどころが なく、ただ漂い続ける.. 失踪した娘 有香を捜すカスミを通して、 著者は何を描こうとしたのだろうか? 各自の心の闇を書き込みながら、 はっきりとさせなかったラストの 不親切さが記憶に残る物語だった。2017/07/21

うののささら

105
北海道の留萌の近くの閉鎖的な海沿いの田舎町。暇で会話といえば人の噂話。貧乏で人生をあきらめ、弱く何も知らない子供たちが騒ぎを起こし不幸になるのを望む。故郷の灰色の海を憎み、田舎や家族に復讐を考えたことがすべての端緒になってむごい運命の漂流が始まる。偶然の積み重なりで紙一重の事実が重なる。現実と折り合いがつかず、大切な相手の貴重な時間を奪ってしまう。人間のやな部分の話でしたが面白かったです。2020/10/03

のり

57
北海道の田舎から18歳で家出同然で東京に出たカスミ。個性的で魅力的だったが、話が進むにしたがって頭を捻る。森脇と結婚し二人の娘に恵まれた中での生活に憂い、石山との不倫関係に…北海道に別荘を買った石山に誘われた森脇家。そんな中、カスミの長女が行方不明に。登場人物皆怪しい。流石としか言えない。親として心配なのはわかるが、二女に対する思い遣りに欠けすぎ。当時5歳の子供とはいえ女。母親の異変にきずき、心痛めたのが原因に繋がる。元刑事の内海にも救いはあったのか?2016/05/20

taiko

48
支笏湖近くの別荘地で、5歳の少女が忽然といなくなった。事件は難航し、少女が見つからないまま、4年が経とうとしている。…常に暗い雰囲気がつきまとう小説。でも、嫌いではなかったです。犯人は結果わからないまま。有り得るだろう犯人と状況の展開が興味深かった。カスミという女がとにかく謎。母としてのカスミの気持ちには同情するし、有香ちゃんを探している時の心情は痛いほど分かる気がしましたが、彼女は最後まで女でしたね。その辺は、小説の中の事としては面白かったです。2017/02/14

ゆきらぱ

40
再読。一度読んだだけで細部は忘れていた。北海道の厳しい寒さを感じ、また子供の行方不明という事件がもたらすさまざまな暗い影が恐ろしい作品。人間はふと自分らしく生きたいと思った瞬間大切なものを次々とこぼしてしまう。2020/02/21

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