椿姫を見ませんか

椿姫を見ませんか

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784062026857
  • NDC分類 913.6

内容説明

オペラ“椿姫”の哀切な旋律が流れるなか、主役ヴィオレッタが毒殺された。23年前に起ったマネの贋作事件に端を発する、新たなる悲劇の幕開きである。江戸川乱歩賞受賞第1作。受賞作「モーツァルトは子守唄を歌わない」につづく書下ろし本格音楽ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

星落秋風五丈原

19
注目の“椿姫”が大学オペラ練習中に毒死し、実在の“椿姫”を描いたマリー・デュプレシ像贋作事件が23年ぶりに浮上する。鍵を握る画家は日本画学生守泉音彦と気まぐれプリマ鮎村尋深の目前で息絶え、第二の“椿姫”も公演初日に斃れた。そして、第三の“椿姫”尋深が死を仕掛けられた舞台に上がる——。  オペラをメインモチーフに、芸術大学の学生が探偵役。この二人の男女の描写がなかなか好み。ちょっと癖がある人物が好きなので

hit4papa

8
芸術大学を舞台にした殺人ミステリです。芸大出身の著者だけあって、音楽、美術についての造詣の深さがあらわれた作品となっています。マネが実在の"椿姫"を描いたとした贋作事件を絡めて、謎解きとしても良いのですが、芸術に専心する学生たちの日々に惹きこまれます。蘊蓄に陥ることなく、芸術に向き合う姿勢が門外漢にもわかるように描かれています。 事件の顛末は、切なさ満開。つかず離れずの主人公二人の関係が気になる次回作は「あしたカルメン通りで」、そして「蝶々婦人に赤い靴(エナメル)」と続きます。

シロ太

6
江戸川乱歩賞受賞作「モーツァルトは子守唄を歌わない」が当時大好きで何度も繰り返して読みました。その後著者の本には巡り会えなかったのですがその理由はなんとまあ(興味ある方は作者の名前でググって下さい)。漫才のようなやりとりはベートーベンとチェルニーの師弟コンビなら手を叩いて笑えましたが、友達以上恋人未満の男女だといま一つ冴えなかった。主人公の性格も掴みきれなかった。とはいえ懐かしい文体を楽しめ満足でした。ちなみに表紙絵はどこかで見たようなと思ったら江口寿史さん、びっくりです。2014/10/30

るぅく

6
とある人の読後感想から読んでみたくなったこの作品。文章の雰囲気がなんとなく一昔前なのが懐かしくもあり、新鮮でもありました。尋深の強さと甘えベタなところ、守泉のなんだかんだといいつつも守るところ、そして話の展開。読み応えがあって面白かったのです。椿姫を知っていると面白さが増します。どうやら尋深シリーズがあと2作あるようで・・・図書館に入っている閉架本を出してもらうことにします。尋深さん、中森明菜さんがモデルなんですね。それを聞いて人物像により頭で描きやすくなりました。2012/04/26

ぼん

4
世に名高き「絶版作家」森雅裕の名作ミステリ。某芸大で起こるオペラ「椿姫」のヴィオレッタ役連続殺人事件は、実は椿姫のモデルとなった実在の人物「マリー・デュプレシ」を描いた絵の贋作事件と密接な関わりを持つのであった・・・。てな感じの「本格」芸術ミステリ。読前には是非デュプレシをWikiで調べ、カルロス・クライバーの振る「椿姫」で曲の事前知識を得ておく事をおススメします!勿論ミステリ小説として素晴らしく秀逸でフーダニットやミッシングリンクもかなり楽します。なにより惜しむらくは本書がホントに入手難な事。★★★★★2010/11/27

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