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愛と幻想のファシズム〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 415p/高さ 20X15cm
  • 商品コード 9784062014311
  • NDC分類 913.6

内容説明

1990年、中南米にデフォルトの波が起こり、世界経済は恐慌へと突入。サバイバリスト鈴原冬二をカリスマとする政治結社「狩猟社」には、官僚、企業家、思想家、法律家、学者、テロリストが集結し、社会的ダーウィニズムを実行していく。良識派は彼らをファシストと呼んだが、「狩猟社」は過激派をつぶし、労組のストを破壊し、要人にテロを加え、反対派を廃人にしながら、一気に日本の中枢を獲ろうとする。そんな彼らの前に、恐慌後秘密結成された多国籍企業集団「ザ・セブン」が徐々にその恐るべき姿を現わす。危険な予兆をはらんだ衝撃の近未来政治小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

detu

24
初村上龍。なかなかの、厚本で上下巻。少し気後れするもなかなかの読みごたえ。嫌いな独裁者のストーリーだが、向こう側からこちらを見るのも自分には新鮮。ハードボイルドとも政治・経済文学とも近代史とも言える。設定は1980年代後半からだが、現在のこの国を見ているような。村上龍はすでに見据えていたのだろうか。下巻へ。2019/08/05

KASAO

16
90年代を目前に世界恐慌の起こった世界で、弱者は淘汰されるべきという考えを持ったカリスマ「トウジ」率いる『狩猟社』と世界的な大企業が複合して出来た多国籍企業集団『ザ・セブン』の世界の覇権を巡った権謀術数の物語。とりあえず上巻読了。今はまだ狩猟社の規模がザ・セブンに追い付いてないので、ここからどんな戦いになるのか楽しみ。でもどっちが勝っても今ある民主主義は死にそう。弱者として淘汰されるか、利益にならないと切り捨てられるか。間違ってると言いたいけど、いざ小説内の世界みたいになれば同じことを言える自信がない。2015/04/29

Shimaneko

11
数十年ぶりの再読。30年以上前に書かれた小説にもかかわらず、その後のオウムやトランピズムの台頭のみならず現代日本の閉塞感との近似性に鳥肌が立つ。いざ下巻へ。2018/09/15

ふな

10
再読。最初読んだときはひたすら不快にしか思えなかったトウジの主張が今ではリアルに思えてくる。弱者への、救済ではなく淘汰。生態系のあるべき姿。情報と快楽を得たものが最も強い。日本は化粧の厚いオカマだった。 トウジにとって(というか作者にとって)美女以外は女ではないのだな…なんて、本筋と関係ないところで腹を立ててみたりして。下巻に続く。2014/08/01

ピップ

8
最近なんとなく今の世の中について、方向性があってるのかと疑問に感じることがあったりしたので、タイミングの良い本でした。ちょっと難しいけど、考えさせられるだけでなく、ストーリーもとてもおもしろい!とにかく下巻に進みます。2017/09/11

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