講談社文芸文庫<br> 虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)

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講談社文芸文庫
虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061984592
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

―この一切をはじめたのは、ほんとうは誰なんだよ!!―だからおれの夢の中に出てくる『虹の彼方に(オーヴァー・ザ・レインボウ)』だって言ってるじゃねえか。一九七三年夏、東京拘置所。『カール・マルクス』『ウルトラマン』等夢みる囚人達と所長『ハンプティ・D』の間で演じられる可笑しくも悲痛な思想劇。『さようなら、ギャングたち』『ジョン・レノン対火星人』と並び著者の原点を示す秀作。

著者等紹介

高橋源一郎[タカハシゲンイチロウ]
1951・1・1~。小説家。文芸評論家。広島県生まれ。灘中高校時代、詩・演劇に興味をもつ。横浜国立大学経済学部在学中、学生運動で逮捕され拘置所を体験。以後10年、肉体労働に従事。1981年、『さようなら、ギャングたち』が群像新人長篇小説賞優秀作に選ばれデビュー、吉本隆明に絶賛される。88年、『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞、2002年、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞を受賞。言葉、革命、性をテーマに現代文学の前衛として、詩、翻訳、競馬評論など多彩に活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

89
夢や虚構に彩られた世界が広がっていました。この曖昧さが著者の好みの空気感なのでしょう。どこかおかしくて哀しみを湛えた雰囲気が心地よい。サイケデリックさも文学として昇華してしまう力というものを持っているような気がする短編集でした。2017/05/06

佐島楓

59
「さようなら、ギャングたち」「ジョン・レノン対火星人」と同じ文脈で読まないと理解ができない。実を言うと、読んでいても何のこっちゃとなった。3部作の中で、一番著者に寄り添わなければいけない作品なのではないか。「さようなら~」が名作なのは私の中で揺るがない。2018/10/20

おさむ

37
タカハシさんのデビュー後最初の作品だそうですが、エキセントリック過ぎて読むに耐えませんでした。タカハシさんの初期作品群は生理的にダメですね。残念。2016/02/19

田氏

21
「全世界を書こうとしていた」という小説。60年代~80年代前半のできごとや固有名詞がならび、それらは意味を剥ぎ取られて裸で踊っている。その踊りが何のかたちに見えるか?横浜や東京拘置所の場所の記憶、まずそのように見える。次に見えてくるのは、言葉そのものであった。そして言葉に弄ばれ、無限後退や停滞や循環や非到達性の、さびしい場所へと押し込まれていく『カール・マルクス』たち。『虹の彼方に』は、そして『虹の彼方に』の彼方、そのまた彼方は、脱出口となったろうか。あるいは消失点。前回よりも何まわりも楽しく読めた再読。2023/09/10

ちぇけら

18
虹は……虹はどこだろう。東京拘置所には、『ウルトラマン』や『カール・マルクス』『セールスマン』がいて、『わたし』はクリストファー・コロンブスになりたい女に、クリストファー・コロンブスになるための6つの方法を教える……。虹は……どこ?「『虹の彼方に』ってどこにあるの?」「『虹の彼方に』の彼方に、だろうね。多分」「"『虹の彼方に』の彼方に"は?」「"『虹の彼方に』の彼方に"の彼方に、だろう。多分」ハハッ!この小説に詰まっているよ!オーヴァー・ザ・レインボー!!2017/12/25

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