内容説明
三島由紀夫、武田泰淳、大岡昇平、吉行淳之介、安岡章太郎、小島信夫、高橋和巳、井上光晴、大江健三郎、安部公房、筒井康隆の戦後作家十一人を論じて、異質とみえる作家たちに共通するモチーフ、それは、自己に対する疎隔感による“メランコリー”であると解く。時代の深層を抉り、非現実化してゆく現代を鋭く分析して鮮やかに捉えた評論集。サントリー学芸賞受賞。
目次
メランコリーの水脈
距離の変容―三島由紀夫の世界
神の不安―武田泰淳の世界
絶対的あいまいさ―大岡昇平の世界
眼の遊戯―吉行淳之介の世界
逃走のまぼろし―安岡章太郎の世界
事件の経緯―小島信夫の世界
歴史というメランコリー―高橋和巳と憂鬱
運命紙の射程―井上光晴と予言
無力感について―大江健三郎と現代
円環の呪縛―安部公房の世界
メディアの逆説―筒井康隆の世界
著者等紹介
三浦雅士[ミウラマサシ]
1946年(昭和21年)12月17日、青森県弘前市に生まれる。1965年(昭和40年)3月、弘前高校卒業。1969年(昭和44年)4月、青土社に入り詩誌『ユリイカ(第二次)』創刊にかかわる。1972年(昭和47年)1月、『ユリイカ』編集長になる。1975年(昭和50年)1月、『現代思想』編集長に転じる。1982年(昭和57年)1月、『現代思想』編集長を辞し、青土社を退社。1984年(昭和59年)11月、『メランコリーの水脈』で第六回サントリー学芸賞を受賞。1991年(平成3年)10月、『小説という植民地』で第二十九回藤村記念歴程賞を受賞。1994年(平成6年)12月、思想誌『大航海』を創刊。1996年(平成8年)2月、『身体の零度』で第四十七回読売文学賞を受賞。2002年(平成14年)『青春の終焉』で、3月、芸術選奨文部科学大臣賞を、5月、第十三回伊藤整文学賞を受賞
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