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講談社文芸文庫
メランコリーの水脈

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  • サイズ 文庫判/ページ数 337p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061983311
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

三島由紀夫、武田泰淳、大岡昇平、吉行淳之介、安岡章太郎、小島信夫、高橋和巳、井上光晴、大江健三郎、安部公房、筒井康隆の戦後作家十一人を論じて、異質とみえる作家たちに共通するモチーフ、それは、自己に対する疎隔感による“メランコリー”であると解く。時代の深層を抉り、非現実化してゆく現代を鋭く分析して鮮やかに捉えた評論集。サントリー学芸賞受賞。

目次

メランコリーの水脈
距離の変容―三島由紀夫の世界
神の不安―武田泰淳の世界
絶対的あいまいさ―大岡昇平の世界
眼の遊戯―吉行淳之介の世界
逃走のまぼろし―安岡章太郎の世界
事件の経緯―小島信夫の世界
歴史というメランコリー―高橋和巳と憂鬱
運命紙の射程―井上光晴と予言
無力感について―大江健三郎と現代
円環の呪縛―安部公房の世界
メディアの逆説―筒井康隆の世界

著者等紹介

三浦雅士[ミウラマサシ]
1946年(昭和21年)12月17日、青森県弘前市に生まれる。1965年(昭和40年)3月、弘前高校卒業。1969年(昭和44年)4月、青土社に入り詩誌『ユリイカ(第二次)』創刊にかかわる。1972年(昭和47年)1月、『ユリイカ』編集長になる。1975年(昭和50年)1月、『現代思想』編集長に転じる。1982年(昭和57年)1月、『現代思想』編集長を辞し、青土社を退社。1984年(昭和59年)11月、『メランコリーの水脈』で第六回サントリー学芸賞を受賞。1991年(平成3年)10月、『小説という植民地』で第二十九回藤村記念歴程賞を受賞。1994年(平成6年)12月、思想誌『大航海』を創刊。1996年(平成8年)2月、『身体の零度』で第四十七回読売文学賞を受賞。2002年(平成14年)『青春の終焉』で、3月、芸術選奨文部科学大臣賞を、5月、第十三回伊藤整文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さえきかずひこ

6
端正な文学の批評。文学の根源的な問題に触れているので、なんとか飽きずに読み進めることができるが、いささか牧歌的な感を否めない。もともと1989年に刊行された本なので仕方ないが。この感じが当時は新しかったのだろうな…筒井康隆の小説がメディアとしてのテレビに結びつけられている、この感じ。やはり、のどかだ。どうしようもなくのどかで、読んでいたらとても歯がゆくかつメランコリックになった。論じられていた、小島信夫読んでみようかな…。2017/05/09

あかふく

2
戦後の作家11名の作品論が並ぶが、それらを貫くものとして「メランコリー」と「距離の感覚」を設定している。メランコリーは自己意識の強まりによって強まっていき、ゆえに自閉し、距離を発生させる。それは自己回帰の末の消滅も含んでおり、虚実の曖昧さ、両義性、多元主義といったところへ行き着くゆえにパラドックスと関わっている。結局これらはメディアの問題に還元され、即ち語ることが全てフィクションになるような領域、マス・メディアによる隠蔽、「距離」のことが指摘される。また本書もメランコリーの書であり、三浦自身が中にいる。2013/12/01

nukuteomika

2
誰だって憂鬱な気分になるときはあるわけで、それをメランコリーと呼べば大抵の作家は語れるんじゃないのかと思うのだがどうなのだろう。いまいち独自性がわからない2010/12/15

rinrin

0
【BOOK-201】!!!!!!2012/09/23

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