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内容説明
黄巾賊の乱は程なく鎮圧されたが、腐敗の土壌にはあだ花しか咲かない。霊帝の没後、西涼の董卓が十常侍に代って権力の中枢に就いた。しかし、群雄こぞっての猛反撃に、天下は騒然。曹操が起ち、袁紹が起つ。董卓の身辺には、古今無双の豪傑呂布が常に在り、刺客さえ容易に近づけない。その呂布が恋したのが美女貂蝉―董卓の寵姫である。傾国という言葉は「三国志」にこそふさわしい。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
143
改めて読むと、二巻では 後の英雄たちが 続々と現れて 面白い。劉備と趙雲の出会い、 貂蝉をめぐる 董卓と呂布、曹操と劉備、孫策 の台頭 …めまぐるしい程の 英傑たちの登場が 三国志らしい。中国四大美女の一人と言われる 貂蝉の 心根が愛おしい。2020/01/28
chiru
139
権力争奪戦と董卓討伐の火蓋を切った二巻。中心人物は、義兄弟三人と曹操と呂布、そして若き新星、孫策と周瑜。戦乱に必要なのは初手と大局観とされるように、彼らも様々な局面を妙手で切り抜けていく。この巻の最優秀悪役賞は、あえて王道を捨て、覇道によって世を成そうとした“曹操”。彼の合理性と柔軟性と非情さは、敗残兵のリユースに見られるように、リスキーだけど革新的‼ 裏切りもあれば、育まれる信頼もある。恋に狂う呂布、酒乱で義兄に叱られる張飛など、人間的な欠点と美点こそが、力や絆になるのだと強く認識した二巻でした。★52020/06/10
茜
119
董卓と呂布が美女貂蝉を巡り対決。董卓は殺害され、勢力が弱まる。一方で後の英雄たちが 続々と現れて 面白い。今の時点で私が好きなのは劉備です。今はまだ大きな功を挙げていないけれど人徳があるのだからそのうち覇権争いに加わるのではないでしょうか?また一方で孫策が活躍し始める。多彩な人物の登場に一人一人の名前を記憶していくのは難しいけれど曹操、呂布、袁術がこの巻の中心かな。それにしてもまだまだ序盤で気が抜けない展開で先を読み進めるのみである。2021/04/10
優希
87
傾国という世界が垣間見えました。黄巾の乱は腐敗しか生まなかったからでしょう。騒然とする天下の中で立ち上がる曹操や袁紹といった志士たち。彼らの中でも特に呂布の存在感を強く感じます。権力を少しでも握れば、変わるものあり。だからこそ偉大な光が戦で輝くのでしょう。2018/12/18
金吾
62
◎英雄たちの躍動が伝わってきて大変面白いです。董卓、孫堅が退場し、曹操が台頭する一冊ですが、この巻で一番魅力を感じるのは孫策です。一気に江東の覇者になる一連の記述に魅せられました。2021/02/15