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内容説明
尾州徳川家の七男坊万太郎の邸から、将軍家拝領の鬼女面をまんまと盗み出したのは、大盗日本左衛門。面箱の底には“御成敗ばてれん口書”も隠されていた。その口書によると、日本で客死した羅馬の貴族ピオの遺品“夜光珠の短剣”には、莫大な富と名誉が秘められているという。その行方をめぐり、万太郎と近待の相良金吾、ころび伴天連の娘お蝶、丹頂のお粂などが入り乱れる伝奇ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
87
面白かったです。『江戸三国志』というタイトルですが内容は時代伝奇小説といったところでしょうか。尾張徳川家の七男・万太郎、大怪盗・日本左衞門、転び伴天連・お蝶の3人が羅馬の探検をめぐり入り乱れる物語に引き込まれました。鬼面女を盗み出したことが世界的な遺品の富と名誉にまで絡むとは思ってもいなかったです。これからどのような展開になっていくのかが楽しみですね。盗まれた側と盗んだ側、そこに忍び寄る女性というだけでワクワクします。2017/04/16
旗本多忙
7
再読しようと試みてたが、そんな時間があるなら未読本を読むほうが良いと思って既読にした。物語的には非常に面白い。したたかな大盗人の日本佐衛門は何故だか好きだな俺は。万太郎の側近の金吾の活躍がもっともっとあれば更に面白くなってたかも。大昔の既読だから内容もかなり忘れてます(笑)平家物語や私本太平記のようなキリッとした難しさがなく容易に読めるのが印象だった。2016/05/24
7H
0
本棚を整理していたら出てきた。再読。1回は読んだはずだが中身をすっかり忘れている。三国志といタイトルだが、舞台は江戸で、日本、高麗、ローマに由来する人たちが幻の短刀をめぐるお話。吉川英治の小説はご都合主義がひどいが、そこがまた面白いところ。物語の展開が早くて目が離せなくなる。うだうだとページ数をかせいで一向に話の進まないいまどきの小説の作者は見習うといい。2021/08/24