講談社文芸文庫<br> 火の河のほとりで

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講談社文芸文庫
火の河のほとりで

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  • サイズ 文庫判/ページ数 460p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784061960107
  • NDC分類 913.6

内容説明

雪の日にひとりのこどもを殺した!…少女時代の悪夢が、姉妹に遠い影を投げかける。血の絆に惹かれるように、妹の夫と関係を結ぶ姉牧。抜き差しならない深みに入り込んでいく二人に、気づこうとしない妹百合。性の地獄にさらわれながら、ついに女たちは生の明るみへと突き抜けていく。長編700枚。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

翔亀

45
北上川の流れる山地に群生するレンゲショウマで始まり、マンションで咲かせた<スズランの化け物>で終わる。スズランより大きいがより儚く可憐な日本特産の1属1種の稀少種のレンゲショウマは何を表しているのか。「夜の寝覚」をモチーフに、というと文学の匂いがするが、主人公の一人の慎一の視点で見ると、妻の姉(=牧)との身勝手な不倫性愛メロドラマに見える。さらに牧は、家族から離れ北上川の畔に別居した父親を追いかけて父娘で暮らし、父親の死後もひとり留まり(その間、父親の子と噂される中絶がある)、愛人の死後その私生娘を引き↓2017/01/20

James Hayashi

35
太宰治の娘、初読み。「火の山〜山猿記」を読みたかったが図書館にないのでこちらを。太宰の血を引くだけあり男女関係のいざこざ、複雑さを書き表す。1人の男に姉妹が絡んでいるので面白みはあるが、ただならぬ関係で多少嫌悪感を感じる。文学系の家族というものを感じさせられた。2018/01/20

James Hayashi

28
83年ごろの作品で、受動的な女性を感じさせる。女性が主役のストーリーであるが、社会では男性優位社会。妹の夫が不倫するのは実の姉。理解し難い関係が頭でわかっていても身体は止まらない。それに絡む女子高生。女性の模索する生き方を考える。 読み終えて、やはり太宰治の血筋だなと感慨に浸る。読み終わるまで再読とは気づかなかった。著者の作品をもっと読んでみたい。2020/01/25

あかつや

5
過去に何やらややこしい事情があって離れて暮らす姉妹。物語はこれまたややこしい事情で他人ながら姉妹の姉の所に身を寄せる少女・瑠璃子と妹の夫で姉とも肉体関係を持つようになる慎一、二人の視点を交互に進行する。事情が込み入りまくっていてこの字数ではなかなか説明しにくいが、とにかく慎一がしょうもない奴で。瑠璃子のパートは彼女の勝ち気な性格が魅力的でサクサク読んじゃえるんだけど、慎一のパートはきつい。しょうもないと言っても人間的に悪い奴じゃないんだ。ただただしょうもない男というだけで。あ、でも全体的には面白かったよ。2018/12/27

緑虫

0
★★★☆2023/05/31

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