内容説明
江戸の町に地震が続き、南町奉行所内が緊張する中、高木用人は途方にくれた様子。心配する新八に、刀剣鑑定の名家に嫁いだ娘の、離婚話を打ち明ける。地震騒ぎに関係があるらしい。仲立ちに訪れた新八の眼前で、刀剣をめぐって更に大難題が持ち上るが…。次々と起こる怪事件を捌く、好評シリーズ第三集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
にゃんにゃんこ
8
一、二巻の長編から三巻は短編物になった。読みごたえのあった長編を期待したが違った。短編は読むには楽であるが少し残念である。 松平家の跡継ぎの五歳の若殿が下屋敷から姿を消し、行方不明になってしまった。飴屋に釣られて外に抜け出したか、それとも誘拐か?捜索を始めた新八郎に、子供を背負った怪しい大男が浮上する。若殿の命が心配される。2023/04/16
rokoroko
7
平岩氏の時代物の良い所。例えば[狐ぎり」の中で数寄屋橋ー牛込御門‐市が谷御門ー高田馬場といった道程が納得できる。本所にいた頃、銀座まで戯れにあるいて行った。大手町やら茅場町も歩いて行った。そんな記憶と重なって登場人物が生き生きと感じられる。平岩氏も古地図片手に歩いていたのかしらね2016/09/30
沼田のに
2
やっと妻の郁恵といい感じになってきたのに、なして「二度とお目にかからない」はずのお鯉が職場の賄いに登場させるんだ?やっぱ惜しいよな。 たった一度の非常に情熱的な平岩弓枝精一杯の表現の一夜を過ごした相手を目の前にしたら、普通の健康的な男は涼しい顔なんか出来なくていても立っても・・・?立ってはいられるか。おーっとお下品な感想だった。7/102013/02/20
Suzu
1
はやぶさ新八シリーズ第3弾。このシリーズって長編ばっかだと思ってたけど短編もあるのね。お鯉が再び登場。新八との関係は何もなさそうだけど、ほのぼのしてていいんじゃないかと。話の結末がぼやけた感じだと思う。狸の心中は悪女にされてたお栄が哀れだが、それより狸も可愛そうだった。又右衛門の女房では、ただひたすらオンナは面倒な生き物。同性ながらそう思った。そして次巻に進む。2018/06/03
kagetrasama-aoi(葵・橘)
1
シリーズ、三作目は連作短編集。そしてお鯉が再登場。根岸さまの奥仕えの女中として奉公することに。どんな人間模様が繰り広げられるんでしょうか?鬼勘こと湯島の勘兵衛がここで登場するんですね。新八を取り巻く人達が、それぞれ魅力的に描かれています。私は短編の方が好みかも……。「河童と夕顔」が一番印象に残りました。終わりが切なすぎて。2016/02/12