講談社文庫
暗闇坂の人喰いの木

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  • サイズ 文庫判/ページ数 680p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061856943
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

【内容紹介】
さらし首の名所暗闇坂にそそり立つ樹齢2千年の大楠。この巨木が次々に人間を呑み込んだ?近寄る人間たちを狂気に駆り立てる大楠の謎とはなにか?信じられぬ怪事件の数々に名探偵御手洗潔が挑戦する。だが真相に迫る御手洗も恐怖にふるえるほど、事件は凄惨をきわめた。本格の旗手が全力投球する傑作。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

220
去年再読。御手洗シリーズの中でもかなり好きな作品です。昔はなるほど!と驚いたトリックもネットで色々な人のレビューを見る事が出来る今の時代では、その無茶加減が良く分かってしまい、少し切ない。特に巨人の家のトリックはお気に入りだったので、あるレビューを読んで悲しい気持ちになった。。色々なエピソードが順不同で列挙されるスタイルはこの作品からだったと思いますが。昭和20年の涼一郎君のエピソードがその後説明無しなのが気になる。御手洗シリーズの中でも猟奇性や古きよき日本の本格の風味が良いバランスで同居している良作。

Tetchy

199
まず題名からして横溝正史へのオマージュという感じだし、ジェイムズ・ペインの地下室は明らかに乱歩のエログロ趣味を意識したもの。この作品を以ってして島田は本格の巨匠として名を残すことに挑戦したのか?そうだとすればこの一作が未来永劫読み継がれていく名作だとは思わないが、面白かったのは事実。しかしメインのトリックが大掛かりであればあるほど、陳腐な印象を受けるのが現代の本格である。2009/02/21

勇波

151
「斜め屋敷」さながらの力技トリックで展開する御手洗ワールド。賛否あると思うけど、御手洗物はこーでないと!島田先生の圧倒的な文章で細かい事は気にならない。そしてレオナさん登場!次は「水晶のピラミッド」へ乗り込みますよ★2014/07/13

中原れい

108
は~堪能。思ったより時間はかかったが、そのぶんじっくりと「過去と現在の殺人事件」を味わいました。戦争と戦前教育に翻弄された人々の過ちが大楠に隠されたか、それらを呼んだ元凶が大楠なのか。消えてもわからない存在になった子供たちをいたみ、戦争を憎む島田節健在。ここにもみっちゃん変奏が…つらい。バラバラだった過去と現在のことがらを瞬時につなぎ華麗な技など披露しつつ考えていくミタライの活躍は気持ちよくて、はまる方多いのわかります。同じことしても手探りで暴いて見せなきゃ誰も相手にしない吉敷刑事が好きですけどね。2019/09/07

Ame

108
むちゃくちゃ怖かった。オカルト的要素がふんだんにあしらわれていて、なんとも非科学的なことを真面目くさって語っているなと頭ではわかっていても「暗闇坂」や「人喰いの木」のおどろおどろしい雰囲気に圧倒されてしまい、もしかして今回はミステリーではなくホラーなんじゃないかと途中から割と本気で考えた。トリックについては力技のように感じたけれど、読み終わった後の満足感は期待以上のもの。視覚的な文章のおかげでだいぶ読み易く、頁数は全く気にならなかった。このシリーズを追えば追う程、御手洗潔という男のことがわからなくなる。2016/12/20

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