講談社文庫
頼子のために

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  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061854017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて相手を刺殺、自らは死を選ぶ―、という手記を残していた。手記を読んだ名探偵法月綸太郎が、事件の真相解明にのりだすと、やがて驚愕の展開が。精緻構成が冴える野心作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Tetchy

132
やっと来た!今のところ、オイラの中で法月最高作。この結末は非常にいい。実に余韻が残る。そしてこれがこの作家の特質ならば大歓迎である。やっと推理作家法月綸太郎が見えてきた。2009/01/11

ダイ@2019.11.2~一時休止

121
法月綸太郎その3。娘を殺された大学教授の手記を基に物語は進む。最後はちょっと切ない。2013/09/24

みっぴー

81
密閉教室から二年しか経ってないのに、まるで別人が書いたかのような作風でした。はっきり言って、面白い。娘を失った父の手記から始まる構成、そして法月綸太郎による再調査、新事実、、、プロットも見事ですが、何よりも文章が上手い。表現力がゆたかで、登場人物や場面描写に深い奥行きを与えているため、ミステリーの枠を超えて文学的にもハイレベルな作品に仕上がっています。法月親子がクイーン警視とエルみたいで、そっちのほうも高評価。ポーンはクイーンになるように、愛も憎しみになる。2017/09/16

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

81
高2の娘を殺された父親が、自らの手で犯人を割り出し殺害した顛末を綴った「手記」を残し、自殺を図る。これで終わったかに見えた事件だったが、関係者の思惑に巻き込まれ推理作家の法月綸太郎が再捜査に着手するやいなや、複雑な様相を見せ始めていく。さまざまな思惑を絡ませながら二転三転していくスリリングな展開の果てに、当初の人物像をガラリと変えていく“真実”もさることながら、そこから浮かび上がる不憫なまでの悲しき人間ドラマが読み応え十分。その静かで重い余韻が衝撃的に残る傑作で、法月作品を追いかけたくなる一冊に出会えた。2014/10/21

セウテス

79
探偵法月綸太郎第三弾。殺された娘の仇を打ち、自殺を計った父親は手記を残す。綸太郎は手記を読み矛盾を見つけ、真相解明に乗り出す。いわゆる「手記解析ミステリー」で、有名どころでは「占星術殺人事件」を直ぐに思い出します。犯人のトリックと探偵の推理の組み立てが一つの話として、きっちりと組上がった精度の高い作品だと思います。しかし登場人物が、迷いながら生きている面倒な人物に感じてしまい、感情移入が出来なくて共感する人物がいない上タイトルがどの意味なのか迷います。途中正解が解るも、納得出来る感情表現の結末ではない。2015/01/28

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