内容説明
諸流派が日本各地に盛名を競った天正年間、常陸の剣客諸岡一羽斎の、剣の理法と謎の秘伝書は、三人の高弟たちを翻弄する。力と技では及ばない、「剣の心」を渇望する剣士たちの死闘を描く表題作他、人斬りに失敗した刺客、秘命に斃れた隠密、悪名高い復員兵等、男の人生の風雪を鮮烈に描く、初期傑作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンディK32
14
現代モノ三編含む短編集。表題作は別の文庫で既読だが、他は初読みでした。何れも初期の味のある話しばかりで、隠密モノ『そろばん…』は直木賞とった『錯乱』を思い出し、真田信之モノでは他にも隠密があった様な、混乱が起きた。何故か池波はイッキ読みしてしまうのでした…2016/01/10
しらたまはなこ
4
[院内文庫] 初期の傑作短編集とのことなので、あの話に似てる、みたいなのがいくつかあった。 そろばん虎之助と仇討ち街道は意外な結末に楽しめた。 さすがに30年以上前の文庫は字が小さいな。 2017/07/13
eucalmelon
3
虎之介、親が隠密だからとはいえ、指令一つで顔も見たこともない上司の指示に従えるものなんだろうか?封建社会の一般思想だからそんなものか…。遠くの上司より近くの仲間。その方が人間らしくていい。 闇討ち十五郎の隆心和尚、六十に近い歳なのだが…声は雷の様に・・・とあるが、「60歳程の爺なのにしっかりしている」ということだろう。確かに子供の頃は60歳と言えば敬老の日に祝われる爺だった。今、その歳になったが、爺と言われてもねぇ…。それなりの物を食って、それなりに生活していればそれなりで居られるということなんだろうな。2023/05/24
つちのこ
3
講談社文庫版。池波正太郎の初期の短編小説集。7編を収録。2007.10.5読了2007/10/05
どきん
2
小泉忠男の手が印象に残った。2015/11/01