内容説明
隕鉄は誰かの恋をかなえて落ちた流れ星―。ロマンチックを気取っても、一尺八寸環は女子大生にあるまじき刀鍛治。念願かなって入手した隕鉄に職人生命を賭け、難行苦行の末に一振りの流星刀を生み出す。その時から学園は風雲急。修羅の巷で争奪が始まる。流星光底、鉄骨の美術系アクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
外道皇帝
11
92年出版だから23年ぶりの再読。森雅裕描くヒロインはいつもかっこいい。隕石から日本刀を造る物語。一尺八寸と書いて「かまのえ」と読む。そんな無茶な名字のヒロインに対するのは月見里と書いて「やまなし」と読む。やっぱり無茶な名字。前半の刀を造るまでの工程がウンチクと共に詳しく説明してあって面白い。後半ドタバタ感があるけどそこはヒロインの魅力で一気読み。久しぶりに森雅裕読んだら他の作品も再読したくなった。やばい。2015/04/17
ゆーいちろー
5
数回にわたる蔵書整理をくぐりぬけ、いまだに手元に残っている古強者である。作者買いするわたしには珍しく後にも先にもこの本しか読んでいないのも自分としては珍しい。かなりライトな小説だが、わたしの中でなかなか処分できない一冊となってしまったのは、もうこれは、流星刀という魅力ある素材を描いたからということに尽きる。鍛刀の場面はなかなかシリアスで、はっきりいってカッコいい。隕鉄に関する薀蓄も読んで得した気分になれる。しかし、本書の魅力は、荒唐無稽な大活劇にあるのだろうな。2010/06/01
青葉麒麟
4
昭和の雰囲気漂う作品。登場人物達の立ち居振舞いや話し方が時代がかってる。こう言うのが活劇って言うのかな？刀鍛冶のやり方が詳しく記載されてて勉強になった。ちょこちょこ写真が記載されてたけど、これってドラマにでもなったのかな？2013/02/01
kanamori
1
☆☆☆2020/06/28
紫
1
刀剣小説女子大生系？ 平成四年刊行の本作。刀鍛冶、古武術の跡取り、やくざの三代目等々、極端な設定のヒロインたちを起用して全体に昭和の学園不良ドラマといったノリで理不尽＋唐突な物語が展開されるのであります。流星刀というロマンチックな題材に後半は学園バトルの様相に。地味になりがちな刀鍛冶のお話をどうやって読み物に仕立てたものか、作者の苦心が偲ばれます。結末は続編への含みを持たせたものだっただけに描かれなかったことがまことに残念。ところで、イラストの代わりのイメージ写真ですが、モデルさんは誰？ 星5つ。 2016/06/04
