内容説明
美貌のバレリーナが男を殺したのは、ほんとうに正当防衛だったのか?完璧な踊りを求めて一途にけいこに励む高柳バレエ団のプリマたち。美女たちの世界に迷い込んだ男は死体になっていた。若き敏腕刑事・加賀恭一郎は浅岡未緒に魅かれ、事件の真相に肉迫する。華やかな舞台の裏の哀しいダンサーの悲恋物語。
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
935
率直な感想、ビリビリ来た!もう心が震えた!正に不意打ちだった。何のガードもしてなかった。だから非常に打ちのめされた。ああ、悔しい!東野にここまであからさまに翻弄された、そしてそれが正直心地よい。それが偽らざる感想だ。冷静に考えると、本作は推理小説としては決して歴史に残る名作とは云い難い。本格ミステリとしては、普通の部類に入るだろう。しかし、この作品には小説としての熱がある。始まりは普通の物語。普通の正当防衛による事件のお話。しかしやがてそれは立派な大輪の花を咲かせるかのような素晴らしい話へと結実する。2010/01/22
Kircheis
796
★★★★☆ 推理小説として考えると微妙…。 だけど、加賀刑事の恋愛やバレエ団の皆さんそれぞれの悲しい運命は見所あり! 続きがどうなるのか想像したくなるエンディングも好き。2019/01/30
再び読書
616
加賀恭一郎シリーズ第2弾、相も変わらないクールな彼がいる。しかし、学生から刑事になり、おまけに教師を経由している。現実、こんな過程を経て刑事に辿り着けるのか?正当防衛?から事件は動き出し、またもやXの悲劇ならぬニコチンを針を使っての殺人に続く。主人公のクールな所作とは裏腹にまだ事件は少しづつ動く。今回の事件は終わっても加賀自身の謎解きも含め、シリーズは続いていくのだろう。次作にチャレンジします。2013/02/28
射手座の天使あきちゃん
566
バレエ団の事務所で男が鈍器で殴られ死亡した。殴ったのは前途有望な美貌のバレリーナ・葉瑠子 彼女たちは、プルミエールからエトワールへ、あるいはプリンシパルへ一段ずつ階段を昇るため、恋も美食も我慢してひたすら減量とレッスンに励んでいたのになぜこんな事件が? 事件に臨場した加賀刑事は、聞き込みに奔走しながらも、美緒という美しいバレリーナに心惹かれていく。 めちゃくちゃ恋に一途な加賀刑事に、若いころの東野さんの情熱が感じられますね(笑)。2023/08/19
Yunemo
500
本作品、平成元年作とは思えません。今は使われてないものが記されますが、26年後の今でも新鮮さに溢れてます。本著におけるキーパーソン「未緒」、として読み進んでました。何となくボンヤリしていた背景が、後半に一挙に進んでいく様に、ある意味感激。ここのところ、著者作品に嵌りつつ、全く違ったジャンルをそれに応じた書きっぷり、ここに酔いしれます。加賀恭一郎シリーズなのですね。それも2作目、平成25年に10作目。自身、この10作目が初めて。この間の加賀自身の生き様をじっくりと読み進めたい、そう思って読了。2014/06/01