出版社内容情報
東野 圭吾[ヒガシノ ケイゴ]
著・文・その他
内容説明
学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して…。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
208
★★★★★ 東野圭吾の初期作品の中では一番好き。 最終章で一気にすべての謎が解明していく流れが気持ちいい。 ちょっとせつない人間模様も良かった…『世界の中心で愛を叫ぶ』はこの作品にインスパイアされたのでは?笑2019/01/18
夢追人009
184
久々の長尺小説で相当に苦戦しましたが読後に大満足が得られた東野圭吾さんの力作長編小説第4作です。今回もメイントリックは密室でしたが機械仕掛けではなく単純明快な解決なのがナイスでしたね。三題噺を思わせる章題も良かったです。恋人・広美の死の謎を追う主人公・光平と刑事・香月の推理勝負に一応の決着がつく第四章は見事でしたが、さらに意外な真実が明かされる第五章は圧巻の出来でこれぞ東野圭吾!と叫びたくなる会心の重厚な人間ドラマでしたね。本書は「成就しない恋愛の物語」ながらも「青年の人生と成長の物語」と言えるでしょう。2019/01/26
Tetchy
164
とにかく東野氏の若さの主張が横溢している。旧学生街の退廃感、そこを訪れる人々それぞれの思惑、彼ら彼女らが微妙に交錯することで始まり、あるいは終わる群像劇を背景に、エレベーターにおける密室トリック、アリバイ工作、そして1987年当時、最新の科学技術であった人工知能AIの話などなどが盛り込まれており、正直ページを繰る手を止まらせなかった。しかし、読了した今、やはり登場人物の青さしか残らなかった。それが東野氏が書きたかったテーマである事は認めよう。ただ、それが私には非常に幼く映ったのだ。2009/11/03
りゅう☆
143
大学卒業後、バイトしながら自分のやりたい道を探す光平。そんな中、バイト仲間で恋人広美が殺される。生前、広美にはいくつかの秘密があった。その秘密を知りたいがために、広美の足跡を辿る。そんな乗りかかった船が、結局犯人探しへと繋がる。広美の妹悦子と共に密室、レザージャケットの男と様々なキーワードにぶつかるが、そんな時第三の殺人が…。おなじみ理系東野さんならではの内容あり、そこに絡んでくる男女の問題あり、解決したかのようにみえて実はまだ続きあり、意外な動機と犯人…と展開はいいけど、なんだか静かで暗い印象がした。2015/11/06
🐾Yoko Omoto🐾
131
さびれた学生街で起こる連続殺人事件という重い内容にも関わらず、モラトリアム人間の主人公と彼を取り巻く人間模様に昭和の群像小説的な匂いが感じられる作品。これでもかとばらまかれる複数の謎の中、殺された「広美」が抱えていた秘密がストーリー全体のキーポイントとなる展開が見事で、登場人物たちの様々な行動一つ一つにしっかりと根拠と意味があったことに感服させられた。考え方がどうにも青臭い主人公が事件の全容を解明したことには正直違和感を感じないでもないが、脇の悦子や香月刑事が良きサポーターになっていることで補われている。2014/02/02