出版社内容情報
筑豊の山河を後に、1人上京した伊吹信介。大学入学第1日目の失望、そして次々に開かれていく東京という未知の世界の扉。苦しい日々のなかの熱い友情と異性への想い。信介はいま青春のただなかにいる。だが、自らの命を賭ける夢は見いだせない。青年の魂の昂揚と愛を描く大河ロマン。【1977年2月、1982年1月公開映画 原作】(講談社文庫)
青春の苦悩をヒューマンに描く大河ロマン。筑豊をあとに上京した信介。大学入学第一日目の失望、苦しい日々の中にも友情が生まれ、異性への想いがたぎる。だが、命をかけるべき道は展けてこない。第二巻。
青春の門
第一部 筑豊篇
第二部 自立篇
第三部 放浪篇
第四部 堕落篇
第五部 望郷篇
第六部 再起篇
第七部 挑戦篇
第八部 風雲篇
内容説明
筑豊の山河を後に、1人上京した伊吹信介。大学入学第1日目の失望、そして次々に開かれていく東京という未知の世界の扉。苦しい日々のなかの熱い友情と異性への想い。信介はいま青春のただなかにいる。だが、自らの命を賭ける夢は依然として見いだせない。青年のみずみずしい魂の昂揚と愛をヒューマンに描く大河ロマン〈改訂新版〉第2部。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tsuyoshi
67
大学生活編。筑豊編に比べるとかなり早いテンポで読了。大学にはほとんど行かずバイト、ボクシング、織江との再会や複数の女性達とのやり取りなど信介の自分探しの旅。自立編というタイトルにはそぐわないモラトリアム期間真っ最中の信介。悩みや迷いはあっても何だか楽しそうに見えて仕方ない。続編では「自分の道」を導きだす事ができるのだろうか?2018/06/20
momogaga
45
読メ開始以前の既読本。何度も読み直しました。主人公の伊吹信介に嫉妬もしましたね。
aloha0307
37
生涯打ち込めるものを模索して、筑豊から早稲田大へ…まさに青春真只中 生と性が彷徨い、躍動する🌸 学費のためにアルバイト ボクシングから演劇、マルクス、文学、繁華街などなど〜若い頃を思い出すなぁ 血を売るアルバイトは昭和後期でもありましたよ 200ccで4,000円というチラシが…いま思うとゾーっとします😖 登場人物たちが今もどこかでしずかに暮らしているとなぜか錯覚してしまいます🌸2022/04/03
Kaz
37
大学入学で筑豊から東京にやってきた伸介。演劇青年、娼婦、はぐれ者の講師、ヤクザなど学校以外で知り合った人達との関わりから、色んなことを学んでゆく。しかし、自分が一生をかけるに値する何かは見つからず、迷い、流される日々。60年代半ばの大学生活が、よく伝わってくる。それは現代よりも型破りで無法でもあるが、世の中を生き抜くための生命力が強く感じられる。2018/10/08
しんすけ
22
早稲田に入学した信介だが、学校にはほとんど行ってない。 学業の前に、東京で食っていくための準備をしなければならないからだ。貯めた金はあるが、これからのことを考えると無一文に近い。 ぼくは五木寛之の十四歳下だが、この部分の叙述からはさらに大きな差を感じた。 60年代後半でも、貧乏学生や苦学生は多かったが、授業に出ないなんて学生はいなかった。 ダイヘンなる手を使い、ぼくも授業をサボっていたがその時間はゲバルト闘争一歩手前の論争に費やしていた。 いうなれば世間知らずが、解っていると勘違いしていただけだった。 2022/05/04