講談社文庫<br> 最後の伊賀者

講談社文庫
最後の伊賀者

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p
  • 商品コード 9784061838659
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

驚異的技能と凄じい職業意識を持つ怪人たち、伊賀忍者はいかにしてつくられどのように生きたか。城取り、後方撹乱、探索密偵等、戦国の武器として使いちらされた危険な傭兵、詐略と非情の上に成り立つ苛酷な働きが、歴史の動きに影響を与えた不思義な人間たちを、自在に描く短編等、魅力溢れる7編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AICHAN

42
Book-Off本。Book-Offに売ってBook-Offで買う。まったくアホらしい。こんなことになるなら蔵書を売るのではなかった…。この短編集は、忍者、外法仏使い、絵師、そして道頓堀を開鑿した大百姓・安井道頓を描く。どの短編も読み応えがある。道頓を描いたのは「けろりの道頓」。道頓については資料があまりないようだから司馬さんの空想が多分に入っているのだが、空想にしろ実に面白く仕上がっている。昔は義侠心から道頓のような富者が今でいう公共工事をずいぶんやった。現代の富める者は何をしているのだろうか。2017/08/03

いちろく

42
歴史の大きな流れの中では目立たないけれど、存在感を示した人達にスポットをあてた七編。生きていく事の生々しさを描いた作品は、歴史小説の枠を越えて、魅せられる部分がある。短編集である事からどのお話も司馬遼太郎さんによる講釈部分は少なめ。戦国時代から江戸時代への転換期の伊賀忍者にスポットを当てた「最後の伊賀者」に消え行く本来の忍者としての姿に惹き込まれると共に、道頓堀の名前の由来にもなった道頓を描いた「けろりの道頓」が物語全体の良い〆になっており、特に印象に残った。再読。2017/02/12

AICHAN

39
再読。忍者小説はやっぱり司馬遼太郎だなと、あらためてそう感じた。絵師小説も司馬遼太郎だな。あ、いや絵師小説は藤沢周平もいい。2020/03/07

AICHAN

36
「下請忍者」「伊賀者」「最後の伊賀者」「外法仏」「天明の絵師」「蘆雪を殺す」「けろりの道頓」の7編を収録。どれも読み応えがある。司馬作品は、大長編よりも、こうした短篇群が面白いかもしれない。何しろどれも実に魅力的に仕上がっているのだ。余計な「余談ながら」はなく(「余談ながら」はそれはそれで魅力的なんだけど)、切り詰めた字数で闇に埋もれた忍者やあまり触れられていない絵師などを抉り出す。司馬さんの空想が多分に入っているだろうとはいえ、その空想が全然的外れでないと思わせられる。2018/11/08

巨峰

26
初期の忍者者3編をふくむ司馬遼の短篇集。読みごたえあり。特異な階級社会である伊賀忍者の世界を背景に若い忍者の反逆と逃避を描いた「下請忍者」、破天荒な画風で江戸絵画に風穴をあけた長沢蘆雪を取り上げた「蘆雪を殺す」、妙に明るい呉春など、バリェーション豊かで楽しく読めた2011/12/23

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