講談社文庫<br> 裂けて海峡

講談社文庫
裂けて海峡

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  • サイズ 文庫判/ページ数 372p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061836785
  • NDC分類 913.6

内容説明

冒険小説最高作、遂に文庫化。弟の事故死を調べるうちに謎の勢力が行く手を阻む!格調高い海の男達のロマン。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐々陽太朗(K.Tsubota)

85
つい先日、新潮社版を読んだ。ラストの書きぶりの違いを確認。本書「天に星。地に憎悪。南溟。八月。わたしの死。」 新潮社版「天に星。地に憎悪。南溟。八月。わたしは死んだ。」 どちらが良いだろう。新潮社版が後の出版であることから、志水氏は「わたしは死んだ」で締めることを選んだということだ。なぜ、書き換えたのか志水氏に訊いてみたいところ。私はといえば、はじめは講談社版を支持していたが、日が経つうちに新潮社版が良いように思えてきた。しかしまた日が経てば講談社版に気が行く。これは悩ましい。2019/04/23

goro@80.7

25
再読了。いつの間にか主人公の年齢も越えてしまった。多分若いときには感じられなかった気持ちが胸に刺さる。こんな激情を持って俺は戦えるのか!どこか途中で挫折しそうだ。「弾が出なかったらどうなります」「運が悪かったことになる」~本文より ユーモア交えながら怒涛のクライマックスが涙をそそるのだ!志水辰夫はやっぱりいい。2015/11/04

Tetchy

12
なんともやるせない物語。つつましく小さな会社を経営していた男が、己の矜持を守るために掛け違えたボタン。それが終末への序章だった。望むと望まざるとに関わらず、主人公長尾に振りかかる災厄の数々。徒手空拳で立ち向かう彼と彼を慕う女性2人の姿が痛々しい。正に昭和の男と女の物語だ。そして空虚感漂うラストの三行は今なおシミタツ作品の中でも金字塔として残る名文とされている。復刊された新潮文庫版よりオリジナルのこっちの方が断然好きだ。2009/10/09

5
ミステリーを読んで初めて泣いた本です。

たーくん

3
海峡で消息を絶ったのは、弟に船長を任せた船だった。乗組員は全て死亡したと聞く。遭難の原因は不明。遺族を弔問するため旅に出た長尾の視界に、男たちの影がちらつき始める。やがて彼は愛する女と共に大きな渦に飲み込まれてゆくのだった。歳月を費やしようやく向かいあえた男女を、圧し潰そうとする“国家”。運命の夜、閃光が海を裂き、人びとの横顔をくっきりと照らし出す。2016/03/27

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