出版社内容情報
【内容紹介】
「貧しい人にふれる時、わたしたちは、実際にキリストのお身体にふれているのです。」カルカッタのイスラムの、貧しい人のなかのさらにもっとも貧しい人のためにつかえると誓願して36年――。ノーベル平和賞に輝く20世紀の聖女の素顔と活動を、密着取材による写真と文とで、あますところなく伝える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
改めてマザーの魅力に気づかせてもらいました。愛にあふれていて、自分の信念を真っ直ぐに貫く人。そしてユーモアもある。自分の想いが信仰と共にそのまま素直に表現できるからこその魅力があるんですよね。人に寄り添うように生きる美しさをしっかりと心に焼き付けました。誰に対しても母親のような愛情で触れ合う優しさが響きます。撮影された写真からも愛にあふれている姿が伺えました。プロテスタントですが、やっぱりマザーは憧れの人です。2017/08/30
Shoko
28
子供の頃に伝記を読んで、感動したのを思い出す。行動力、アイデアと実際的な感覚、そしてユーモア。マザー・テレサの魅力を改めて知ることができました。「究極に貧しい人の中の、最も貧しい人こそキリスト」として、貧しい人に尽くすこと、貧しい人を愛することを一番に考えるマザー・テレサとその姉妹たち。真に美しい人々を見た思いです。写真と文章でマザー・テレサの活動を伝える本書。著者である写真家の沖守弘さんは今年4月に亡くなられた。素晴らしいライフワークでした。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。2018/10/10
超運河 良
22
自分自身を愛する大事さと好きになることから人は本当の使命感を感じる。何不自由なく生きていても誰からも必要とされず愛されていないという心の貧しさ飢えはどんなに空腹で飢えるよりも酷い貧しさ。人の愛とは優しさとかもそうだけど、内面のネガティブの自分を素直に感じ取って笑顔で無償の愛をあげると内面から飢えが消えてなくなり作り笑顔から本当の笑顔に変わる。妬み、嫉妬、怒り、絶望感があるということはそれに興味関心があるので必ず夢を持っているので叶う。自分の内面に愛を与えることが出来て初めて相手に対し無償の愛の笑顔になる2015/11/12
ロビン
20
マザー・テレサがノーベル平和賞を受賞する以前から親交のあった報道写真家の著者が、マザーのインドの貧しい人たちへの奉仕に付き添い、取材して書いた本。「人間にとってもっとも悲しむべきことは、自分はこの世に不要な人間なのだと思い込むことだ。そしてまた、現世の最大の悪は、そういう人にたいする愛が足りないことだ」ーとマザーは確信している。人間は、飢える時や死に瀕する時でさえ、他者から思いやりをもって人間らしく扱われることを望んでいる。心の飢えという病は先進国にも蔓延る。自分も他人ごとではない。マザーの愛に涙した。2021/10/10
takam
20
ヒューマニズムを感じるマザーテレサの生き方。著者はカメラマンでマザーテレサが有名になる前から取り上げていた日本人である。章の合間に写真が入るが、その写真の雰囲気が良い。やせ細った人たちも、どこか苦しまずに優しい顔をしている。死に行く貧しい人たちは、こうも最後に愛されたという事実があるだけで安らかになれるのかもしれない。2020/04/06