講談社文庫<br> 海を感じる時

講談社文庫
海を感じる時

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  • サイズ 文庫判/ページ数 169p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061831957
  • NDC分類 913.6

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

36
☆☆☆ 痛々しさと瑞々しさが共存しているような文章。まだ大人になりきる前の女性の生理感覚のようなものが直接的に語られると身構えてしまう。表題作は、主人公の恵美子の二つ上の高野の煮え切らない態度にどうも共感できないし、身体だけ求められていると分かっているのに高野を追う恵美子にも共感できなかった。「銀の雫滴る岸」は、デビュー作である表題作から6年後の作品ということで、風景の描写などは緻密だが、デビュー作にあった瑞々しさとのバランスが崩れているのと、高校の新聞部の人間関係の描き方が生硬で、読みにくかった。2021/11/17

飛鳥

27
数年前に父親を亡くし母親と二人で暮らす高校生の美恵子。母親に愛情を求めながらも拒まれ続け、上級生の洋に好きではないと言われながらも彼にしがみ付く美恵子。学校に対しても人生全体にも怠さを感じたような美恵子の唯一の救いの洋との関係がばれ壮絶な母親とのいがみ合いを繰り返しながらも母親に甘えたいし愛情を求めている美恵子が印象的でした。多感な年頃の不安や愛情を欲する姿が今の時代にも共感でき壮絶で明るくはないけど読めて良かったです。2017/04/23

Natsuko

20
図書館休館で読む本がなくなる不安に襲われかけたとき思い出した、亡くなった恩師の形見分けで手元にある40年前の単行本。当時18歳の著者が等身大の女性の恋愛と母親との関係を赤裸々に綴る。所々線が引いてあり、恩師も今の私と同年代の一人の女性だったんだよなぁと改めて感慨に浸る。さらに裏表紙には他の先生のサインが…二人の先生を経て自分の手元にあるこの本の運命を思った。それにしても男女のデートも連絡手段も現代からは考えられない世界。値段も単行本なのに680円と驚きの連続。忘れられない読書体験をくれた先生に感謝。2020/04/11

窓際

7
大学の図書館の、古い蔵書ばかりの書庫から引っ張り出してきて読了。人の中にある海とはなんだろう。本書では、海は、女性の持つ母性や子宮と捉えられている。母と娘が衝突する場面、自らの数年前を思い出して苦しい…18歳がこれを書いたのか…恐るべし…2014/05/30

cocoon

4
再読。母の本。昔読んだとき、生理表現が生々しくて気持ちが悪かった。今読んでみると、ああこんな年頃もあるんだろうなと。洋のセリフに懐かしい恥ずかしさを覚えること多々あり。2012/07/07

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