出版社内容情報
【内容紹介】
えっと、作品（なかみ）のご案内です。腰まで届く長い髪の娘・明日香。その髪に驚くべき秘密と力をひめた彼女の正体は？彼女を愛してしまった青年・信彦との、のがれられぬ運命が明日香を見舞う。彼女の行く先は、さて、どこ？ショパンのノクターンが全編を包む「グリーン・レクイエム」、ほか2編の心躍るＳＦ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソルティ
209
35年くらい前の作品。当時新井さん20歳頃。時代を感じさせない内容と若い文体。主人公明日香は異星人？人間と共存できる方法をぜひ考えて欲しかった。信彦の気持ちが切ない。SFだけどサイエンス部分が理解できるレベルで軽めのSFという感じ。他「週に一度のお食事を」女子大生が何故か吸血鬼になってしまう話、「宇宙魚顛末記」何故か宇宙に巨大魚出現、1ヶ月後に地球、人類滅亡の危機となる話、の2編。「ここがあたしの故郷だと、あなたは言った。なのにあたしはここにうけいれてもらえない。もうどこにも行く処がない。糸切れた。」2019/01/06
鱒子
90
あぁ、いま読めばそりゃ恥ずかしいさ！でもでも、若き日のわたしは彼女の文体が大好きで、そして憧れていたんだ。——「グリーンレクイエム」30年以上ぶりに読み返しました。大筋は覚えていたものの、あれ、こんなにあっさりした話だったっけ？という感じでした。大好きすぎてあたしの中でいろいろ膨らませちゃったんでしょうね。懐かしく甘酸っぱいもろもろの思い出を運んできた本。2021/05/27
たか
56
ＳＦ作家・新井素子の代表作。 子供の頃に出会った緑色の髪を持つ不思議な少女の面影を追い続け、大人になってから偶然にも再開し、やがて恋に落ちる。 彼女の緑色の髪の秘密から、地球の自然環境そのものに目を向けた、悲しく残酷な物語。 ミステリアスでファンタジックな雰囲気が好み。漫画化もされているらしい。Ｂ評価2019/02/17
しゅわ
38
ひさびさの再読。哀しいメロディが聞こえる物語で、詩をよむような幻想的で独特の雰囲気が中毒になります。私自身は…そのむか～し聞いたラジオドラマが印象的だったせいか？いまだにあのときのイメージで読んでしまいます。懐かしみながら読んでいたら、けっこう短かったことに驚きました。『週に一度の…』の方は先日再読した『二分割…』の吸血鬼論で一刀両断されていたのを思い出し笑いました。『宇宙魚顛末記』を読んだから、次は『ひとめあなたに…』を読まなきゃ！2012/12/28
はなん
35
ずっとずっと、何度も何度も読み返している物語。その都度毎回心に何かを残してくれる。哀しくて優しくて。。そして切ない。今回は有川先生の「旅猫リポート」のラストの風景からこの1作が浮かび、どうにも我慢できなくて手にする。何故か分からなかった理由(わけ)を何となく心が感覚でわかってくれた気もする。言葉にうまくできないけれど。良質な物語は読み手の中でも幾重にも重なっていくものなんだな、と改めて思った。創刊40周年記念「書店員さん厳選＆ミリオンセラー40」フェアにも選ばれた1冊。納得の大好きで大切な作品です。2014/02/11
