講談社文庫<br> 猿丸幻視行

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講談社文庫
猿丸幻視行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061830790
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

【内容紹介】
猿丸大夫、百人一首にも登場するこの伝説の歌人の正体は?“いろは歌”にかくされた千年の秘密とは……。眼前に展開した友人の悲劇的な死のなぞを解き明かす若き日の折口信夫の前に、意外な事実が次々に姿を現わしていく。暗号推理の楽しさも満喫させるスリリングな長編伝奇ミステリー。第26回江戸川乱歩賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はらぺこ

72
恥ずかしながら自分は読メに登録してから折口信夫を知りました。何作かの小説に登場したり名前だけ出てたりしたので今ではフリ仮名が無くても「しのぶ」と読めるようになりました。もう「のぶお」には戻れません(笑) 主人公・香坂明が製薬会社の新薬(過去の人物と意識を繋ぐ『過去幻視効果』を得られる)のモニターになって折口信夫と繋がる。猿丸太夫に興味は無いし、万葉集とか知らんで読んだわりにはオモロかった。でも、思い返すと主人公に母が語った話とか『挿話』が分からんので再読してみたい。 2012/09/07

財布にジャック

51
30年以上も前の作品ですが、今更ながら読んでみたくなり手に取りました。百人一首にも登場する歌人の正体や歌に隠された暗号を解くという歴史ミステリーで、難解な部分もありましたが、レベルの高い内容の濃いものでした。ただ、SF的な要素は余分だったのではと感じました。2014/09/12

とも

48
★★★★井沢元彦は、パクリ作家です。人の説をひたすらにパクる。とはいえ、そのどれもが面白いのである。当作は、歴史上の歌人 猿丸と柿本人麻呂が同一人物である、というところからスタートする。説は作中にもあるが、大昔に読んだ梅原猛の『水底の歌』が題材。なれど、主人公に折口信夫をおきながら、金田一京助はじめ、東条英機や南方熊楠を登場させたり、百人一首と万葉集にいろは唄を混ぜる事で興味をそそらせる手法には、ある意味本当の意味での小説家かもしれない。ちょうど、彼とよく似たタイプでハードボイルドの落合信彦と同んなじか。2016/03/25

いちろく

39
若き日の折口信夫が猿丸太夫に纏わる謎に挑む作品、と書いてしまうには勿体無い。今風のミステリのカテゴリで言えば、超絶技巧になるのだろうか。サイエンスSFかと思われた導入部から始まる物語は、和歌やいろは歌だけでなく平安の世の暗部にまで踏み込みワクワクさせる。時の流れの中で変わる人の心、それはいつの世も変わらない、それがこの物語の最後から感じた事。30年以上前の作品でも、古さを感じない点も興味深かった。複数人の読友さん達からの紹介本。和歌や短歌が好きな人達からオススメされる理由も納得の内容だった。2017/03/12

ばりぼー

34
何度読んだかわかりません。学生時代、気難しいことで有名な堅物教授が、「平家物語」の授業中に、突然、「今年の乱歩賞の『猿丸幻視行』は傑作だ。国文科の学生なら必ず読め!」と授業内容を離れて雑談をしだしたのを今でも覚えています。国文学に疎い人でも、百人一首の猿丸大夫の和歌なら耳にしたことがあるはずなので、十分楽しんでいただけると思います。高田崇史さんのQEDシリーズなどを読まれている方なら、おそらくツボにはまるでしょう。個人的には、歴代の乱歩賞の中でもベスト3に入ると思っています。2013/08/16

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