内容説明
周囲の者が次々と殺人や事故に巻き込まれる死神体質の魚マニア・美樹と、それらを処理する探偵体質の弟・真樹。彼ら美少年双子はミステリ作家が所有する孤島の館へ向かうが、案の定、館主密室殺人に遭遇。犯人は館に集った癖のあるミステリ作家たちの中にいるのか、それとも双子の…？最強にして最凶の美少年双子ミステリ。第３７回メフィスト賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
78
【THANATOSシリーズ】第１弾、デビュー作品。不審な死に遭遇してしまう死神体質の立花美樹と、その発生した事件を解決してきた探偵体質の立花真樹。２人は双子の兄弟であり、警察より捜査一課の高槻刑事が護衛役として一緒に居る。そんな３人はミステリ作家に招待され、小笠原の孤島にある邸宅を訪れる。やがて期待通りに密室殺人が発生するのだが、本作の特徴は驚く程の海洋生物に対する蘊蓄だ。アンチ本格なのか、普通言うミステリとは違い、謎解きロジックの意外性を期待する結末ではない。それでも、面白いと思った。 2022/04/28
Ｒｉｎ
73
【図書館】ミステリという枠組みをとことん無視しているミステリ。ここまで徹底的に貫いてくれると、それがとても面白く感じることができる。魚関連の薀蓄がかなり多くて、多少なりとも知っている事柄はともかく、知らない部分に関してはちょっと辛い…。そして最後まで読んでいくとパラダイス・クローズドというタイトルにもなっとくなストーリー。密室とは？ミステリとは？ということを改めて意識させられる。そして登場人物たちもかなり個性的で、それぞれが抱える歪みや危うさもちらほらと出ており、次作が気になってくるシリーズでした。2016/09/20
ダイ＠2019.11.2～一時休止
67
THANATOSその１。アクアリウムうんちく全開のデビュー作。高槻に頑張って欲しい。2014/01/28
hit4papa
61
高校生名探偵と人死にをもたらす美少年の双子、お付きの刑事が殺人事件に挑む孤島ものです。島のオーナーから招待され、推理小説作家たちの集まりに参加した双子と刑事。程なくしてオーナーが密室で殺害されてしまいます。不穏な空気が漂い、客たちの中からは双子による犯人説を唱えるものまで現れて…。フォーマットは真っ当な本格ものなのですが、事件の真相なんてなんのその、水棲生物から生命そのものまでを密室になぞりながら衒学的に展開する怪作なのです。ただ、サクサクと読み進められないのはマイナスでしょう。【メフィスト賞】2022/03/08
hisato
52
これで汀さんの本も3冊目になり、少しはその独特な文章にも慣れてきたかと思いましたが・・・・・・う～ん、慣れない。 あんまり、乗り気でなかった時に読んでしまったかもしれないです。また、難しい表現を読みたい時に再読してみます。2016/10/31
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