内容説明
六月の緑の森の、白い花の咲く木の下でぼくは君と出会った。人の姿をした美しい一角獣と。放火殺人の生き残りである少女に、宿命のように心惹かれていく蒼。しかし少女の母は、眼窩をイッカクの牙に貫かれて無惨な死を遂げる。すべてが明らかにされたとき、桜井京介の下した決断とは。
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京本郷生まれ。早稲田大学第二文学部卒。専攻は東洋文化。91年に『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となり、翌年、東京創元社より刊行。中井英夫氏らの注目を集めた。建築探偵桜井京介のデビューは94年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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キキハル
32
最期の一文にドキンとした。ああとうとう、京介は決めたのだ。大切な人たちを守るために、戻ることを。ゴールへ向けての期待と緊張感で頭がガンガンしてきそうだ。建築探偵13作目。緑美しい高原で蒼は恋をした。自分に向けられる信頼と笑顔。それすらも操られていたのだとしたら。綿密に計画された睡眠暗示と後催眠。そのキーワードは・・・。ずっと思っていたが深春は本当にいい男だなあ。彼と蒼の会話がすごく普通でそれがなんだか嬉しく思う。この二人が側にいれば京介は幸福なのに。さあ次はいよいよ京介の過去編だ。腰を据えて読むとしよう。2010/12/23
扉のこちら側
29
再読。2014年90冊め。兄に似ていない丸顔の妹が気になる。2014/02/14
コス
25
いよいよ話も大詰め感が出てきた作品。蒼の恋物語みたいになっているので本格ミステリー好きにとってちょっとダラダラした感じがしますね・・・しかし、建築とは最早なんなのか・・・2014/12/10
扉のこちら側
21
初読。催眠術でどこまで人を操れるのか。生き残りの二人の出会い。2007/06/07
あっちゃん
18
前半は蒼がお気に入りなので、スイスイ読めたけど、後半はなかなか…しかも、あのラスト〜(>_<)2013/01/01