内容説明
長崎県の孤島波手島。明治の教会が残る無人の島で、女たちが火に焼かれて死んだ。宗教的理由による集団自殺か、はたまた。事件性を疑う私立探偵に乞われ、桜井京介は現地へ向かう。その頃蒼はカルト教団に入信したまま戻らぬ友人を救出しようとしていた。ふたりに迫る悪意の罠。狂気の炎が再び空を焦がすとき、京介は蒼を救えるのか。
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京本郷生まれ。早稲田大学第二文学部卒。専攻は東洋文化。91年に『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となり、翌年、東京創元社より刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
38
文庫化&建築探偵の帰還記念に再読。シリーズは長編→短編と読んだので逆恨み女に頭が「?」で一杯になりながらも『桜闇』収録作を読んで「何、この勘違い女は?」と思い切り、鼻白んだ思い出があります^^;京介の部屋の様子や蒼君の抱いた予感にシリーズを完読した者としては思い当たることがあって胸がシクシクします。そして蒼君の自分が精神不安定であることが把握できているけれど他人に遠慮してしまい、助けも呼べない状況に追い込まれてパニックになった心境が経験したことがあるのでやけに印象深いです。2013/08/18
扉のこちら側
32
再読。2014年76冊め。因縁の敵。カルト宗教の話はおもしろかった。2014/02/09
キキハル
30
長崎県波手島のさびれた教会で起きた集団自殺に関わる京介。東京武蔵野の街中にある修道院CWAに入ったまま連絡不通の友人を取り戻そうとする蒼。離れた場所を結ぶのは、祈りと神のゆるしと救い。そして強力な睡眠暗示の罠が張り巡らされる。燃え盛る炎の中から、京介は蒼を助けだせるのか?建築探偵12作目も辛いストーリーだ。過去のシリーズの登場人物も出てくるのだが、はっきり言って覚えていない。思い出さないまま読み進めてしまった。一応、事件の収束を見た後、京介と蒼とのささやかな触れ合いが心に沁みた。もっと甘えるといいよ、蒼。2010/12/23
コス
25
前作から大分毛色を変えてきた作品。いよいよシリーズの大詰めな感じがしてきました。今回はカルト宗教を相手にした話。前作までとは違い、スリリングに溢れる作品で非常に良かったと思います。2014/12/04
扉のこちら側
22
初読。蒼が一人で奮闘するが、案の定。整形していても、爪の形とかで蒼なら気づきそうなものだけど。2006/07/11