内容説明
殺人事件の被害者が残した「＝Ｙ」の文字は果たして何を意味する！？あのクイーンの『Ｙの悲劇』への愛あるリスペクトに満ちたダイイング・メッセージものの白眉、『イコールＹの悲劇』他、ロジカルかつアクロバットな推理が冴えわたる傑作ミステリ全５編を収録。
著者等紹介
法月綸太郎［ノリズキリンタロウ］
１９６４年１０月１５日松江市に生まれる。京都大学法学部卒業。在学中は京大推理小説研究会に所属して活躍。作家デビューは『密閉教室』
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
66
再読。ダイイング・メッセージに凝りだしてからおかしくなったクイーンをそのまんま踏襲するかのような「イコールＹの悲劇」、「チャイナ橙の謎」の犯行現場を再現して、無茶なトリックを強引に納得させようとした「中国蝸牛の謎」、現場に残された「電気をつけなくて命拾いしたな」という血文字から推論を重ねる「都市伝説パズル」、やってもいない殺人の自供を続ける男の謎「ＡＢＣＤ包囲網」、「チャイナ絨毯の謎」とでもいうべきガジェットを用いた「退職刑事」風の「縊心伝心」の５編。どれもアクロバチックなロジックが楽しめます。2015/11/11
kagetrasama-aoi（葵・橘）
47
「名探偵法月綸太郎シリーズ」短編集〔三〕「イコールYの悲劇」「中国蝸牛の謎」「都市伝説パズル」「ABCD包囲網」「縊心伝心」の五編が収録。タイトル見ただけでワクワクしてしまいます。クイーンのみならず、クリスティ愛も感じますよね！内容が一番好みなのは、「都市伝説パズル」本家クイーンに勝るとも劣らないロジックが展開されています。2023/01/10
Kiyoshi Utsugi
36
・イコールYの悲劇 ・中国蝸牛の謎 ・都市伝説パズル ・ABCD包囲網 ・縊心伝心 の５篇の短編を収録したもの。 「イコールYの悲劇」はエラリー・クイーンの「Yの悲劇」を意識したもの。「ABCD包囲網」はアガサ・クリスティーの「ABC殺人事件」を意識したものというのは、分かったのですが、「中国蝸牛の謎」がエラリー・クイーンの「チャイナ橙(だいだい)の謎」を意識していたというのは、本文を読んで初めて知りました。😅 「イコールYの悲劇」は、ダイイングメッセージである「=Y」、そうきたかって感じでした。2022/08/28
ami＊15
33
前に読んだ冒険、新冒険も良かったけど、今回の功績も相変わらず面白かったです。その中で個人的に好きだったのが1話目の「イコールYの悲劇」。「＝Y」というダイイングメッセージを通じて被害者は何を伝えたかったのか。色んな仮説が出てくる中で綸太郎が導き出した答えに「このメッセージはそういう見方ができるのか！」と驚愕しました。ただある部分に関しては今読むと違和感を感じるところがあるかもですね。その他の作品では「中国蝸牛の謎」と「ABCD包囲網」も好きでした。作者のミステリーへのこだわりを感じるあとがきも興味深い。2018/03/20
Small World
28
久しぶりの法月綸太郎です。このシリーズも読み残しが２冊あって、そのうちの一つを読了です。短編集ですし、お父さんとのやりとりが楽しく、すぐに読み終えてしまいました。どれも面白いのですが、男女のもつれからの事件が多いのは仕方ないのかな……w。もう1冊も短編集なのですが、年内に読み上げたいです。2019/02/18
