内容説明
現在、過去、未来。別々の時を刻む三つの大時計を戴くクロック城。そこは人面樹が繁り、地下室に無数の顔が浮き出す異形の館。謎の鐘が鳴り響いた夜、礼拝室に首なし死体、眠り続ける美女の部屋には二つの生首が。行き来不能な状況で如何に惨劇は起こったか?世界の終焉を鮮烈に彩る衝撃のメフィスト賞受賞作。
著者等紹介
北山猛邦[キタヤマタケクニ]
1979年8月9日生まれ。獅子座。O型。「『クロック城』殺人事件」で第24回メフィスト賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J7(読メ低浮上中)
40
終末が訪れるとされる世界、人の目に映るゲシュタルトの欠片という幻、本格推理的なタイトルなのに、初っ端から変化球の世界観を見せられ、ついてけるかなと心配になったものの、その独特の設定に魅せられ最後まで読了しました。SFめいた世界や際立ったキャラクターたちは西尾維新さんの『クビキリサイクル』を思い出しました。なんだかんだと最後の謎解きは論理的で王道的なのも。作中に出てきた“クロス”の数だけシリーズは続くのかな?続刊もあるみたいなので見かけたら読んでいきたい。地元の図書館には1冊しかないんだよなーこの作者の本。2017/05/10
yukision
26
荒廃した世界がまさに終わろうとする時代に起こる殺人事件。ファンタジーのようなSFのような不思議な世界観の中,いきなり本格推理小説の様相を呈してくる。最後まで振り回されっぱなしだったが,まあまあ面白かった。図書館本のため,袋とじの部分が切り離されていてその部分に何があったのかが一番気になる。2019/09/18
karatte
25
友人からの頂きもの。世界の終末を感じさせる落ち着いた文体(感嘆符が皆無)や幻想的な舞台設定は好みだが、如何せんトリックが性に合わず。2017/04/03
ひろみ
24
店でちまちま読了。ゲシュタルトの欠片やらスキップマンやら真夜中の鍵やら、何のことだろうという疑問がぞくぞく。しかもその説明があまりない上に結果色々なものがどうなったのかわからないまま終わるという…読者置いてきぼり感がすごいww 舞台設定を受け入れるまで時間がかかったかなぁ。あと最初はミキって女かと思ってたからちょっと戸惑ったww 設定が設定なだけにSFかと思いきやトリックは至って論理的。所々入る遺伝子とかの説明は何のことやらだったけども。独特な雰囲気に慣れれば面白いのかな。首を切った理由はなかなか意外だっ2015/02/03
色々甚平
22
アクション部分や登場人物たちがラノベのようで緊張感を削いでいた感は否めなかった。登場人物たちは昔からの血筋や過去に縛られて続けていて、どんどん狂っていった人たちがたくさん出てくるので、その背景をもっと書いてくれていれば殺人の動機や、クロック城に纏わりついている因縁のようなものも感じ取れたのだと思うと勿体無い一作だったように思える。ディストピアの世界にホラー要素を絡めた上にミステリーを投げ込み、怪奇も出して、アクションも入れた為に、全体的に薄い作品になってしまった印象が残る。2015/07/28