講談社ノベルス
人魚とミノタウロス

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  • サイズ B40判/ページ数 279p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061822078
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

病院内の面接室で身元もわからないほど焼け爛れた死体が発見された。人の出入りが明瞭な現場からなぜ出火したのか。その直後にも警察が取り囲む敷地内から新たな業火が。目まぐるしい展開を上回る速度で推理小説家志望の氷川透の頭脳が回転する。その夜、論理だけを武器に明かされる驚愕と感動の結末とは。

著者等紹介

氷川透[ヒカワトオル]
横浜生まれ。東京大学文学部卒。『真っ暗な夜明け』で第15回メフィスト賞を受賞。精緻な論理と巧みな文章力で島田荘司氏を瞠目させ、その推薦を得て、2000年5月にデビュー。新世紀本格の最も先鋭的な才能の一人である
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

250
それまでの三作の中で、最も面白い"読み物"に仕上がっている。推理・検証の面白さでは『真っ暗な夜明け』だが、総合的にはこちら。しかし、『真っ暗な~』の時と死んだ友人に対しての感傷に隔たりがありすぎ、友情話で盛り上げようとしているのに逆に白けてしまうのが通読する時のネック。クイーン系譜の作家はたくさんいるが、青崎有吾などは"ひとつひとつでは根拠が弱くても、これだけ積み重なればその答えが真実である可能性が高い"という論法を多用するのに対して、蓋然性の高さではなく、あくまで論理。ネタが尽きるのが早そうだ…。2016/12/19

セウテス

110
探偵氷川透シリーズ第4弾。氷川透は学生以来である同級生の生田に偶然会い、彼の勤める病院を訪ねる。しかし病院では火災が発生し、生田と思われる焼死体が見つかる。法月綸太郎氏を念頭に、クイーン氏の系譜にこだわったミステリだろう。徹底的に論理の検証を行い、その過程を楽しめるロジックミステリとはこうだという様な作品だ。真相を導き出す為の流れは勿論大好きなのだが、事件そのものの描き方、展開の仕方に相性が良くないらしく、今一のめり込めないのが残念だ。反面、焼死体におけるミステリ的考察やジェンダー論が、たいへん興味深い。2019/11/12

koma-inu

49
氷川シリーズ4弾。病院内で焼死体となった氷川の友人。ただし身元が分からない、いわゆる「顔のない死体」であった。となるとミステリ好きとしては「死体は友人=友人が被害者」「死体は別の人=友人が犯人」いずれかが気になるところ。推理もどちらが真実かを主軸に進められます。終盤は、比較的直球な、でもなるほど、な手掛かりから論理構築され、納得度は高いです。読者への挑戦前に、捜査のまとめがあったら、尚分かりやすかったかも。結末も上手くまとまり、氷川シリーズではベストな出来と思います。2023/04/24

kate

30
これでもかという程粘着質な論理の展開が素晴らしい作品。まさに論理を玩具にした知的な遊戯ですね。所々顔を見せるメタな記述も好みです。2014/06/26

yucchi

20
【図書館本】旧友の生田に会うため訪れた病院で、身元の判別が出来ない程に焼け爛れた死体が発見される。その死体は生田なのか?それとも? 終盤になっても死体身元が判明しないのだが、犯行を行なえた人物を特定する事で身元もわかる。ロジックは今までで一番良かったと思う。2014/10/07

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