内容説明
航空ショーでアクロバット演技中のパイロットが撃たれ、死んだ。航空機は二人乗り。パイロットが座っていたのは後部座席。しかし、撃たれたのは背中から。犯人は一緒に搭乗していた女性記者なのか？衆人環視の中、成立した空中の完全密室。シリーズ最高難度の謎を、没落した名家の令嬢・瀬在丸紅子が解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう
41
再読。なんてったってタイトルがいい。p.82 液体であるコーヒーと気体である煙が一緒に味わえるなんて、人間の機能も捨てたもんじゃない(by.七夏) など、森先生の書く煙草の下りがすごく好きだったりする。今回のメインはれんちゃんと見せかけて保呂草さん。ほぼ全メンバー出演に、各務亜樹良も初登場で濃密。この巻ではサブメインのれんちゃんとしこさんに目がいくよね。しこさんの行動や言葉からさみしがり屋な彼女の優しさが見えてほっこりする。ラストの切ないれんちゃん励ましてるとことか…このコンビ好きだなあ。2017/01/19
Kiyoshi Utsugi
39
「スカイ・ボルト」とも「エンジェル・マヌーヴァ」とも呼ばれる美術品を探し求めている各務亜樹良から、保呂草潤平に捜査の協力依頼が行われます。 また、フランスから日本に里帰りしたアクロバット飛行チームの航空ショーを見に行った瀬在丸紅子、保呂草潤平、小鳥遊練無、香具山紫子は、そこで演技中のパイロットが撃たれるという事件に遭遇。 しかもその飛行機に同乗していたのは、各務亜樹良ということで俄然面白くなります。 飛行機の中という密室殺人を見事に解き明かすことが出来るのか？ 今回の犯人の予想は、見事ハズレました。😭2023/08/26
canacona
25
保呂草さんが探偵らしいような、相変わらずの胡散臭さ。結局各務亜樹良の正体は不明のまま、これまた何か暗躍しそうな雰囲気。この先も出てくる人物らしい？そんな謎が残された中で、今回は女装ナシの練無や紫子さんのちょっと切ない気持ちとか、あとは相変わらずの紅子さんと警察チームのやりとりが楽しい。へっ君、よく素直に育ってるなー。謎はシンプルで、こうあるべきというミスリードにまんまと引っかかる私。あるがままを素直に受け取るのが大事なんだなーと、毎回思います。2023/11/07
ｉｇａｉｇａ
21
ダイイングメッセージがある本なんて久々に読んだよー。でもこれは・・・紅子だから気づくんであって七夏とか私（？）では無理だったー。練ちゃんは今回ずっと男の子でそれがまた寂しく、そんな練ちゃんを慰める阿漕荘のメンバーと紅子さんは素敵だと思った。2017/09/05
ぐっちー
18
かなり長い間中断していた森博嗣月間再開。Vシリーズ五作目は航空ショーの最中にコックピットで殺されたパイロットと、フランスから帰国した画家の謎。殺人のトリックは言われてみれば、あー、なるほど、そりゃそうだね、ということだった。やはり一番のミステリは人間そのものということかな。森さんの文体って、理論的で端的な地の文とカジュアルな会話文の軽やかさがさらっとしていて初夏向きだと思うのは私だけだろうか。紅子さん、七夏がだんだん気に入ってきたのと反対に、探偵？！保呂草さんのうさん臭さが増してゆく。2018/06/07
