内容説明
救いようのない八方塞がりの状況も、国際的な無理難題も、判断不能な怪現象も、全てを完全粉砕男。ご存知、探偵榎木津礼次郎!「下僕」の関口、益田、今川、伊佐間を引き連れて、さらには京極堂・中禅寺秋彦さえ引きずり出して、快刀乱麻の大暴れ!不可能状況を打開する力技が炸裂する3本の中編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
勇波
105
【メイ探偵祭:その3】名迷明探偵といえばやっぱこの方は外せません。ご存じその名は榎木津礼二郎!新米下僕の河原崎くんにとってはもはや「命」探偵にまで上り詰めた感が。。ほぼ同期下僕の本島くんに「同じ宗派ですな」には爆笑です。中禅寺さんはいつもは重いはずの腰をひょいひょい上げ、一味の活劇を盛り上げる。これはきっと誰も傷付かない決着ができるからだろうね。さて今回シリーズの主役である探偵は『お腹ぺこぺこのぺこちゃんだ!』の号令のもと全ての世界を破壊する。お見事★2016/07/03
ままこ
90
『天狗』とリンクしてるようだったので再読。わははははは傍若無人の探偵に振り回される下僕達。京極堂を担ぎ出し快刀乱麻に事件を解決するサクッと読める愉快痛快な三編の短編集。随分前に読んだから内容は殆ど忘れていて新鮮な気持ちでまた楽しめた。彼ら確かに一味だよな(笑)2019/07/12
優希
80
ノベルズで再読です。主人公がエノさんなので、無理難題も判断不能な怪現象もどこ吹く風。己のやり方で完全粉砕するのが大暴れといえるでしょう。下僕のみならず、秋彦さんまで引き出して不可能状況を打開するのが笑えます。相変わらず自分勝手にやってるなと思わされました。中編3編ですが、普段の作品を読んでいると短く感じるのが不思議ですね。2018/09/04
tama
60
再読 久しぶりに鳴釜が読みたかったので。そしたら、この話から電線設計君が参加したのに気付いた。今後、再登場を希望する人物としては篠村美弥子さんです。2012/06/19
烟々羅
40
予想に反してトリックスター活劇。 「百鬼夜行 陰」のあとに開いてしょっぱならから紙面の明るさが違う。活字の大きさ・組み方から違うのかと思って確かめたが同じだ。文の調子の明るさに錯覚しただけ。 目次から三話構成なのはみて、一話目が釜、二話目が甕ときたから、三話目は鴨か髪かと思ったら、髪に非ず針鼠であった ……と冗談に紛らわしておこう。 そういや、『鉄鼠』の登場人物に端を発するはなしが針鼠なんだな。2013/10/24