内容説明
那古野市の実家に帰省したＴ大大学院生の前に現れた仮面の誘拐者。そこには血のつながらない詩人の兄が住んでいた。誘拐が奇妙な結末を迎えたとき、詩人は外から施錠されていたはずの部屋から消え去っていた。朦朧とするような夏の日に起きた事件の裏に隠された過去とは！？事件は前作と表裏をなし進展する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月子
30
偶数章と奇数章で、同時進行の関係ない事件で2冊って斬新！他にもあるのかしら？若者は、嫌いなものを探すことで自分が明確になると信じているっていうのが、納得でした。素敵なお友達だったのになぁ…。チェス盤なしのチェス、憧れるなぁ(´,,•ω•,,｀)♡2016/11/03
はま
26
S&Mシリーズ7作目。前作の裏で進むお話。序盤から100ページほどは犀川先生も西之園くんも登場しない。そしてさらに中盤ころからいつものS&Mらしく意味なしジョークなんかがお目見えする。森さんを読んでていつも思うのが、面白いんだが持って回ったような言い回しや意味なしジョークが鬱陶しい(笑)しかしところが、ようやく現われた主役たちのやり取りを見てニヤニヤする自分が……。鬱陶しいと思ってたハズがすっかり虜になっていた〜^^ 自分的には今作はS&Mの1〜7で上位に置いた。2011/07/27
さく
22
シリーズ７作目。６作目の事件と同時期に起こった事件。萌絵の親友、杜萌が主人公。素生はいったい何だったんだ。このシリーズ、読めば読むほど犀川先生が好きになる。初対面の人に「君はどんな形が好き？」だなんて質問が斬新すぎる！ちなみに犀川先生が1番好きなのは「三対四対五くらいの直方体」らしい。どこまでがジョークなのか。ほんと、好きだー！2016/06/30
星群
20
Ｓ&Ｍシリーズ７作目。前作と対になっている話。萌絵の友達が誘拐事件に巻き込まれる。萌絵ちゃんと犀川先生の追っかけをしている私としては、二人の出番が、少なくて物足りなかった。妊娠した世津子さんと犀川先生のやりとりが面白かった。2012/04/07
ゐわむらなつき
18
自分の存在を形作るものとして、前作は客観的な指標である｢名前｣がキィになっていたが、こちらは主観的な｢意識｣｢自我｣がポイントとなっていた。奇数章、偶数章でそれぞれものさしは違えど、自分の存在とは何か問うているように思う。目で見ている世界より盲目の素生くんが視ている世界の方が何ものにも邪魔されないだけ、真実に近いのかもしれないなどと思ってみたり。クオリア的なところが犀川先生の｢色が嫌い｣という言葉に集約されている。まぁ仕方がないが、今回は先生も萌絵もあまり出てこなかったのがちょっと残念。2016/01/21
