内容説明
「諸君が、一度でも私の名を叫べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」―自信に満ちたせりふと共にあらゆる状況からの脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が、衆人環視の状況の中で殺害された。さらに、彼はなんと遺体となってまで、最後にして最大の奇跡を行う！？犀川・西之園師弟が明かす驚愕の真実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月子
31
S&Mシリーズは昔飛び飛びで読んでてこれは読んでいなくて、Gシリーズは7冊目まで読んでいるので、加部谷恵美が出てきてびっくり！何か嬉しい（笑）名詞の話とか面白かったです◎犯人はこの人怪しいなーって思ってた人だったけど、トリックは気付かなかった。というか、森さんのを読むときはどうせ理系トリックで私にはわからないだろうなーとあんまりトリックを考えてない自分に気付きました( ๑´艸｀ ๑) 今回のは分かりそうだったから、ちゃんと考えて読めばよかったなー。2016/10/27
おうつき
29
再読。SMシリーズは前半5作は割と内容を覚えていたのに、後半はすっかり記憶から欠落している。これだけインパクトのある仕掛けなのに、全く覚えていなかった。でもそのおかげで、極上のイリュージョンをもう一度味わう事ができた。奇術師の仕掛けたあまりにも大胆なミスディレクションが素晴らしい。作中の登場人物同士の会話の切れ味も抜群で、インターネット利用者が増えた未来について触れた部分は正に現代のSNSを取り巻く状況そのものだし、「名詞」についての件は唸らされた。2022/07/23
ぽぽ♪
27
萌絵の暴走に、仕方ないと言いつつも素直に従う先生好きです(笑)頭良いのに無鉄砲だなぁ。萌絵も大学院進まないで刑事になるべきかも。婚姻届がジレジレで、気になります…2014/10/17
tokkun1002
24
S&M6作目。1997年。与えられた無駄のない情報から解いてみよ、と云うのもあり。でも、様々な情報から要るものを見極めよ、と云うのはもっとあり。友人簑沢杜萌登場するも、いつもある人物紹介ページなし。話は有里匠幻のイリュージョン、マジカルな仕上りを堪能せよ。2017/05/06
さく
24
S&Mシリーズ6作目。面白かったー！今回は珍しく事件が動機も含めて解決した感じ。犀川先生によると、動機なんて、事件に関係ない人のために用意された幻想なのですが。「人が死ぬことによって失われるものは、その人間の思考である」「すべてのものに名前がある、ということにさえ気づけば、あとは簡単なんだ」「どんな法律も人格を裁くことはできない。名前を裁くんだよ」2016/06/03
