講談社ノベルス<br> ジョーカー―旧約探偵神話

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講談社ノベルス
ジョーカー―旧約探偵神話

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  • サイズ 新書判/ページ数 778p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061819467
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

すべてのミステリの総決算…。究極の連続不可能犯罪を企む天才犯罪者が、陸の孤島で「幻影城殺人事件」を演出する。作家・江戸川乱歩と同じ本名を持つ富豪が、生涯を賭して築いた幻影城。美しい湖の小島に浮かぶ紅の城は、様々な趣向が凝らされた「異形の館」である。推理作家たちが秘境を訪れる。―老いた探偵が惨劇に引き寄せられた時、舞台は整い、物語が始まる。作家の一人が執筆する推理小説が、現実世界を侵蝕し、虚構が世界を包む。虚無の深淵に在る闇の水脈から惨劇が生じ、空前の事件が幕を上げる。装飾的な不可能犯罪が繰り返される。屍は日を追うごとに増えていく。推理小説のありとあらゆる構成要素をすべて制覇すべく犯行を続ける「犯人」―その正体は、限られた「登場人物」の中の一人!事件を支配する犯人の武器は、その天才と「言」の魔力。ひたすら「言」が「迷」い続ける「謎」の山に挑むのは、言と謎を極めた推理作家の集団、百戦錬磨の警察精鋭捜査陣、犯罪捜査のプロフェッショナルたるJDC(日本探偵倶楽部)の名探偵チーム…そして「読者」―「君」自身。神出鬼没、史上最凶の天才「真犯人」、その名は「芸術家」!物語の覇者たる「神」は誰か?「真犯人」の究極の正体は!?旧き約に操られた世紀末の探偵神話を語る「僕」とは!?JDCの切り札・九十九十九が、決して解けない世界の秘密―「神の理」―を悟る時、匣の中の物語は幻魔作用を失い、世界は暗黒の死の館から、めくるめく虚無の彼方へと飛翔する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミシェル

16
「コズミック」で衝撃的なデビューを飾った大流水。これ以上バカバカしい作品は出さないだろうと思った矢先、これだよ。もう天才だか変態だかキチガイだかわからんけど、ただ者じゃないことだけは事実。さすが世界でただ一人の大説家。比肩する者なし。オンリーワンだからね。読んでいると燃やしてみたくなる衝動に駆られる本て、ホント珍しいと思うよ。  ★★★★★  「コズミック」が聖書なら本作はコーランだ。2012/03/31

PSV

14
りゅうすいたいせつのただしいようほう:ふたつかさねてにくいあんちくしょうのどたまをかちわってやりましょう。いっぱつでしとめられなかったばあいは、にどさんどとくりかえしましょう。そしたらきっと、解☆決  もうなんか、宇宙を感じた。「ララァ…」むしろ「裸裸亞…」 超然過ぎて逆に笑える。  ★★★★★2012/04/21

みのくま

9
全てにおいて計算しつくされた作品で、本書の著者は狂気を秘めているに違いない。まず物語のメタ化が徹底されており、何が作中作で何が本ストーリーなのか、二次元と三次元の境界まで不明になる。また、本文の微細な箇所にまで神経を行き渡らせており、ついつい深読みしようとするとどっぷりとミステリ沼に浸かってしまうのだ。さて、このような作品は確かに傑作なのだろうと思う。しかし、個人的には少々「鼻につく」。エラリー・クイーンや法月綸太郎に比べると、実存的な悩み(=文学性)が乏しい。勿論、そんなものは必要ないのかもしれないが。2018/04/30

くろまて

7
犯人とかもうどうでもいいし2008/01/25

魔魔男爵

6
JDCシリーズ②。名文引用「男女の役割分担は必要なのだが、旧時代的な時代錯誤の男尊女卑思想は、それこそ、死語ならぬ死想となるべきだろう。過去からの社会システムの流れなど関係ない。我々が生きているのは、『今』という時間なのだから」ジェンダーミステリではない。四大本格推理小説(『黒死館殺人事件』『ドグラ・マグラ』『虚無への供物』『匣の中の失楽』)への壮大なオマージュ。でも真面目な人は怒り狂うだろう駄洒落トリックが百以上出てくるw。七つの密室の謎も全部解明せずに、広げた大風呂敷を畳まずに大空に放り投げる作品。2017/07/11

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