講談社ノベルス<br> あいにくの雨で

講談社ノベルス
あいにくの雨で

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  • サイズ 新書判/ページ数 251p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061819078
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

かつて殺人があった廃墟の塔で再び殺人が。発見者は高校生・烏兎、獅子丸、祐今。死体はその事件の犯人と目され、逃亡していた祐今の父親だった。現場には、塔にむかう雪上の足跡ひとつ。そして三たび殺人は起こった。繰り返される、犯人の足跡がない密室殺人の真相は。麻耶雄嵩、正面から雪の密室に挑戦。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とろこ

61
所々でユーモアを入れてくるが、全体的に重苦しい印象。主要登場人物は高校3年生の3人。受験を控え、それなりに悩んではいる。が、仲間と共に、「生徒」である最後の日々を楽しんでもいたはずだ。それなのに、同級生の父親が殺害されるという事件が起き、そこから、全てが狂い出す。いや、本当は、もっと、ずっと以前から、悲劇の種は撒かれていたのだ…。隠されていた憎悪が表出した時、その矛先が自分だと分からなければ、防御のしようもない。とても苦い。そして、個人的には、その苦さは嫌いではない。ただ、こんな生徒会はあり得ない。2018/05/08

雪紫

29
いきなり13章、そして被害者と足跡なき密室、犯人の残したらしい証拠があらわになる構成とある意味で麻耶さんらしい構成に。ある意味この真相だからこそ犯人の最後の台詞や破滅的なラストの一文が強烈。生徒会関係といい彼女持ちにしてはある意味変わった青春持ってるな・・・生徒会絡みとか面白かったけど、麻耶さんのこれまでの作品があれ過ぎるからおとなしい言われるのも仕方ないよね。

eeko

21
謎を解き明かす青春ミステリーなんて生易しいものではありませんでした。 生徒会の話がやけに絡んできてなかなか入り込めなかったですが。。。殺人の動機がいまいち理解できなかったけど、その憎悪はラストで圧巻。積雪の密室殺人が登場人物の悲劇を呼び救いがない結末だった。おもしろかったです(^^)/ 2014/12/20

クライゲッコー

12
高校生3人が三度起こる雪密室に挑む青春ミステリ。 被害者が主人公のひとりの身内ばかりのため、青春ミステリなのに作中ずっと暗く重苦しい。 「クリーク」という生徒会長直属の調査機関の設定や、生徒会長を争う学内の陰謀も面白かった。 何もかもあまりに悲しい結末とラストシーンの余韻が印象的だった。2021/10/02

K

12
冒頭に密室トリックの解明がされる構成がうまく機能し、ミスリードを誘う。最後もしっかり二転三転して麻耶作品らしく仕上がっている。あんな完成された生徒会は非現実的(笑)あと、「如月烏兎」は「如月烏有」と関係なし?2014/06/16

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