講談社ノベルス<br> 姑獲鳥(うぶめ)の夏

講談社ノベルス
姑獲鳥(うぶめ)の夏

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 430p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061817982
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅はこべ

184
新作を待ち侘びつつ再読。教訓、恋文は他者に託さず、自分で渡すべし。牧郎氏は最も不適当な相手に託してしまった。関口の混乱の責は京極堂と榎木津に多分にあると思う。京極堂が榎木津の視える能力について余計なことを吹き込んだせいで、関口は榎木津の見たものを信じなかった訳だし、榎木津が現場を敦子に見せていれば、敦子の証言なら、関口も信じて、関口にも見えた筈。牧郎氏が不可解。留学から戻って婿入りを果たした後、涼子に会って、何も感じなかったのか。関口でさえ既視感を感じたのに。2017/05/10

勇波

132
先日読んだコミック版に触発されノベルズ版にて再読です。シリーズ全部読んでから「姑獲鳥」に立ち返ってみると、驚くほど内容が頭に入ってきます。今から思うと初読の時は半分も理解出来てなかったのがわかります。そしてシリーズで中禅寺が語っていく蘊蓄の本質がこの一冊に詰め込まれている気がします★2015/03/15

優希

95
ノベルズで再読です。夏のめまいが感じられるようでした。20ヶ月妊娠した女と関口くんの描き出す物語はミステリーでありながら、ミステリーとは異なる味わいを感じさせます。全てが明らかでありながら明らかでないからこそ生み出される悲劇の哲学にまんまとハマり込んでしまいました。あるはずのものが見えずにないはずのものが現れる特殊現象が夏の一瞬を描き出すのに相応しいように思えます。救済がないからこそ全てが包み込まれていく手段だったのではないでしょうか。2018/07/02

76
シリーズ1作目。20ヶ月もの間身籠り続けている妊婦、そして、失踪したその夫。赤児失踪事件に蛙の顔をした嬰児。再読ながら内容も登場人物ですら綺麗さっぱり忘れていた自分にびっくり。久々すぎて、京極堂の蘊蓄に思わず怯むところから始まったけれど、読んでいくうちにクセになってくる。民俗学に医学、宗教までと、きちんと理解できているかどうかは置いておくとして、こういう蘊蓄を読んだりするのが好きなんだろうな。この独特の雰囲気にどっぷりと浸かって楽しんだ。読むのに気力もいるけれど、またこのシリーズも読み返していきたい。2020/08/24

bookkeeper

71
★★★★☆ 久々に再読。前半の京極堂と関口、敦子の問答の場面さえ乗り越えれば、後は目眩坂を転げ落ちるように一気読み。病院の入婿の失踪事件を端緒に、出産しない妻、新生児の消失などオカルトめいた数々の謎が一挙に解きほぐされる後半は圧巻の迫力。 現実と思念の狭間ではあるものも視えず、ないはずのモノが現れる。そこでは明晰な頭脳のロジックも、探偵の超能力を持ってしても真相に辿り着けない。番傘に提灯、黒づくめの羽織で陰陽師が現れるシーンでゾクゾクする。 救済がこの方法しかなかったのか、読後が切ない…。 2018/03/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/561745
  • ご注意事項