講談社ノベルス<br> ウロボロスの偽書

講談社ノベルス
ウロボロスの偽書

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  • サイズ 新書判/ページ数 561p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061817029
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

竹本健治の連載ミステリに、ひそかに忍び込む残虐非道な殺人鬼の手記。連載が回を重ねるにつれ、虚構と現実は、妖しくも過激に昏迷の度を深める。竹本健治、綾辻行人、友成純一、新保博久、島田荘司…。ミステリ界を彩る豪華キャストが実名で登場、迷宮譚に花を添える。『匣の中の失楽』と並び賞される傑作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

オフィーリア

64
これは難解なミステリー。「殺人鬼の手記」「作者本人の日常」「芸者たちの周りで起こる殺人事件」三つの視点から連続殺人事件を中心に描かれ、どの視点でもその他2つのパートは作中作の扱いというメタにメタを重ねた複雑な構成。次第に現実と虚構が入り交じり、虚構の筈である作中作に現実が侵されていく展開はワクワクしました。しかし結末はちょっと如何なものか…本作がミステリーかの議論は据え置くにしても、561P二段組みの長旅を終えて待っていた結末が何の感情も置き所もない投げっぱなしジャーマンで終わるのは流石に辛いです。2023/09/13

ちくわ

25
ウロボロスの偽書/竹本健治 読みました!!構成が半端ない。竹本健治の連載小説という形の作品。現実とフィクションの境界線がなくなり、様々な要素がお互いに干渉しあう。だんだん自分が一体、何を読んでるのかわからなくなる。この酩酊感が好きなので自分は楽しめました。ラストの解決編が少し気になる...かな2017/07/13

生存戦略

14
読むまで著者を知らなかったのだけど、ミステリの主流に背を向けた天才だったのだなと。十年来読んだ国内小説で一番面白かった。作風は山本直樹が近い印象。艶なる女子多数。エログロ要素もあり殺人を性愛倒錯的に描いていたりするので、未成年や女子には勧めにくい。多重メタ構造を自在に操る構成力、豊かで丁寧な人物風景描写、さりげなくも圧倒的。大げさではなく、ポーに始まり乱歩が日本に導入した怪奇ミステリの洗練と進化、その一つの終端的作品だと思った。でもこういう前衛性は保守的なミステリファンには受け入れられないだろうとも思う。2013/06/12

水生クレイモア

12
殺人鬼の手記と小説家・竹本健治の現実世界、そして作中で彼が描いている小説とが、それぞれの作中作としてループした小説。個々のエピソードは面白く読めたが全体としては何だかよく理解できないまま終わった。確かにただの推理小説(ミステリ)ではなく疑似推理小説(ミステロイド)という感じだった。2014/03/22

usanosuke

7
本書は竹本健治と作家仲間の日常を綴ったパート、猟奇殺人を繰り返す殺人鬼のパート、個性的な芸者たちが活躍するトリック芸者のパートの3つで構成されている。この3つのパートが現実と小説を行き来して錯綜しているため、ミステリーとしての帰結を期待すると肩透かしに終わってしまう。踊りの舞つる、数学マニアのまり数、格闘家の力丸、謎だらけの酉つ九と猪口奴が活躍する芸者のパートは単独でも楽しめる。とにかく最初から最後までメタフィクションなので、一体何が現実で真実なのか、その混乱ぶりを楽しむぐらいがちょうど良いかもしれない。2013/10/27

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