講談社ノベルス<br> 翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件

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講談社ノベルス
翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件

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  • サイズ 新書判/ページ数 331p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061816930
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

京都近郊に建つヨーロッパ中世の古城を彷彿させる館・蒼鴉城を「私」が訪れた時、惨劇の幕はすでに切って落されていた。首なし死体、密室、蘇る死者、見立て殺人、2人の名探偵の火花散る対決そして…。島田荘司、綾辻行人,法月綸太郎三氏の賛辞を付して刊行された著者21歳のデビュー作、ノベルス化になる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

87
『隻眼の少女』→『神様ゲーム』と摩耶作品に入ったのは成功だったのか失敗だったのか。まず21歳にしてこの作品を書き得た著者の膨大な知識とミステリーに対する造形に、惜しみ無い賛辞を贈ろう。ミステリーは「してやられた」感を楽しむ私が、若年で予備知識無しに読んだなら途中で壁に投げ付けていたかもしれない。称賛と罵詈雑言を同時に浴びたのも当然だろう。舞台は京都近郊の大企業グループ・今泉家の中世欧州風の邸宅、蒼鴉城。次々と起こる今泉家の人々をターゲットにした首斬り殺人。探偵役は木更津とメルカトル鮎の二人。エラリィ・→2014/01/08

ばりぼー

44
22、3年ぶりの再読。初読時は、作者の衒学趣味について行けず(というか理解できない自分に腹が立って)、途中で放り出した挫折本です。賞賛の声が多いので再挑戦、今回は中盤までの思わせぶりな焦らしにも耐え、メルカトル鮎登場以降の怒濤のドミノ倒し的展開を存分に楽しむことができました。これは超一級のエンターテイメントですが、とてもミステリーとは言えないでしょう(笑)。トリックもロジックも……もう、これ以上は書けません。皆さんの感想を読んで本を手にする方もいらっしゃるので、ネタバレは禁物、防止機能を使いましょう。2014/01/31

とも

41
★★★★★ミステリー好きでも好き嫌いが分かれるだろう。推理小説にも基本的なルールがあるが、少なくとも当作品のみならずこの作家、全く無視でどんどんと定形をぶち壊していく。従って、頭が硬ければ許せないだろうが、ハマれば間違いなく世界が広がる作家であるので、一度は手に取って欲しい作品である。2017/07/01

たか

21
麻耶雄嵩の衝撃のデビュー作であり、とんでもないアンチミステリ。後半の名探偵たちの推理合戦は読み応えがある。これだけの作品を弱冠21歳で書き上げるとは、さすが京大ミステリ研のメンバーである。しかし、一歩間違えれば、バカミステリにもなりかねず、評価は分かれるところ。B評価2017/11/09

赤字

12
まず最初に思ったのが初めて読むミステリがこの小説で無くて良かった。なぜならミステリ小説にとって一種の“神”的存在でもある探偵の推理をを作中で2.5回ほど否定しているからだ。なぜ2.5回かというと半分は正解だけど至らない部分があって、しかしいくら名探偵だろうが解けないのでは、というくらいの衝撃的な事実が最後に待ち受けていたから。決して意地悪で言っているのではなく、作中に登場する探偵達に最終的には惹かれてしまったので(特にメルカトル鮎)愛情を込めて0.5と書いた。コメントに続く。2011/06/07

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