内容説明
悲劇で幕が切られる。シリーズの名探偵・陣内龍二郎が殺されたのだ。ダイイング・メッセージは、タ・サ・ツ。深鞍財閥の別荘でも奇怪な殺人事件が発生した。刺し殺された男の服に切り口がない!名探偵はなぜ殺されたのか。ホームズを失ったワトソン=大垣洋司に何ができるのか。壮大なる挑戦。三部作完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アツシカ
2
「思い」三部作最終第三作。満足。「名探偵」をテーマに据えた、作者のあまりにひねくれた名探偵愛に溢れたシリーズだった。タイトルの通りエピローグにこそ真価が。しかし作者本人が「自縄自縛」というように、「テーマが故に事件を面白くしてはいけない」というのは確かに難があったのかも。ぼく自身ネットで評判を知らなければまず読まない作品だっただろうし……埋もれるのが惜しい作品だと思うんだけどなあ2017/03/02
saifu
1
何年か越しにようやく手に入れた。『道化の論理・神の論理』に真価が。あとがきにも吃驚したけどね。 2014/09/12
間立
1
「思い」シリーズ三部作、読みきりました。ひょ~~~~~~~~~。 なるほど三部作。そしてストーリーの説明ができない。2013/04/10
縛の場
1
冒頭から衝撃的な事実が示され、悲壮感が漂う。主人公はまたもや「名探偵」として事件の深奥へ向かうのだが、その語り口は何とも居たたまれず、暴かれた真相は後味が悪い。ラストに開陳される名探偵論は、三部作の総括的な役割を果たしており、爽快な気持ちにさせられた。現実世界と虚構世界の対比というよりは、現実世界に名探偵という存在を投入することで生じる矛盾を明らかにし、「現実世界における名探偵存立の可能性」を追求することで逆説的に、「名探偵の存在し得ない現実世界」というある意味特殊な一つの世界観を描いているように思える。2012/08/19
遊真
1
思い三部作の完結編にあたる本作。途中の迷走ぐあいや結末の歯切れの悪さなど単独の娯楽作品としてはかなり問題があると思う。しかし、それを差し引いても、価値のある1冊だと思う。